2014年7月12日土曜日

6BX7 PP : 抵抗コンデンサを交換

真空管もトランスも無理な使い方をしなければけっこう長寿なもの。劣化した部品をうまく交換してやれれば、アンプ自体はずいぶん長く使えます。

 古い真空管を使って新しいアンプをいくつか作りました。真空管アンプの製作はしばらくぶりで、手もとに主要部品はほとんど無し。出力トランスは6CA7用に持ち置いていた物以外は新規購入。抵抗器や一部のコンデンサに手持ちを利用しましたが、主なものはやはり新しく買うことになりました。
 数十年の時間を挟んで見ると、コンデンサの進化が激しいです。小型化して特性が良くなり信頼性も向上しました。その進化は一様ではなく、波状に何度も起こりました。

 私室の常用アンプは1990年代の製作。すでに真空管は特殊な趣味の世界でした。テレビなどはトランジスタから機能ICに移行する時期、電源もシリーズからスイッチングへ替わり、インバータも増えて来ていました。デジタルもマイコンからパソコンへと一気に規模と速度が増大したのもこの頃。だから中身は当時の普通の半導体機器用。今回の手直しでは、(出力トランスの交換という大事もありましたが) 回路の見直しに関連した抵抗値の変更のほかは電解コンデンサを交換した程度。

タイトラグを利用したハシゴ状の配線は部品交換が楽です

 ひと続きのアンプ製作の締めくくりという気持ちで、居間の常用アンプも部品更新しました。このアンプは、真空管の終焉の時期の製作。真空管時代の思い出の意味もあって、内部はタイトラグを使って梯子状の配線にしました。抵抗やコンデンサは、トランジスタテレビなどの部品を中心に、新しい世代の金属皮膜抵抗やフィルム系コンデンサと古い真空管世代のMPコンデンサとか巻線抵抗とかが混用されていました。その後10年ほどのうちに、コンデンサや抵抗の多くを交換しました。金属皮膜抵抗が一気に安価になり、フィルム系コンデンサの種類が増えたのを受けて、古い世代の部品をほとんど排除されました。
 それからしばらく経ちました。この間、電気系の製作からほぼ完全に遠ざかっていたので最近の部品事情にはすっかり疎くなっていました。あらためて調べてみると、電解コンデンサが驚くほど進化していました。フィルム系コンデンサも一段小型化して信頼性が上がったようです。
 前回交換した部品のうち、信頼性が劣ったり耐圧に余裕が無かったコンデンサは交換しました。ブロックコンデンサは前回に交換していますが、残っていた電解コンザンサは今回105度の物に交換しました。残っていた初期のフィルムコンデンサも交換しました。これによって、最初の製作時部品はほとんど無くなりました

 タイトラグを使った梯子型配線の利点で、部品の交換は簡単に済みます。チューブラ型のケミコンが立型になったので取り付けが少し不自然になりましたが、サイズがぐっと小さくなったので、その分で他の部品の配置が楽になりました。次の部品交換があるかどうか判りませんが、劣化が予想されそうな部品が交換しやすいように一応配慮しました。
 作業は数時間で完了。念のため各部の電圧を測って動作チェック。その後はスピーカと入力を繋いで私室で聴き慣れた音楽をかけてしばらく様子見。音質には微妙な違いが感じられますが、差はごく僅か。初段の動作を少し変えたことによるものか信号が通るコンデンサが変わったことによる影響でしょうか。もうしばらく鳴らしてから居間へ戻します。