2014年1月31日金曜日

6SN7 PP : 部品集め

目的の6CA7アンプは、当初の予想よりずっと早くスムーズに完成しました。この勢いでもう少し進むことにしました。

[製作した6SN7-PPアンプの詳細]

 長年の懸案だったアンプを作る。子ども時代からいろいろ電気モノと触れあって来た想いの集大成でもあります。あらためて昔の雑誌の記事とかも読みなおしました。昔に収集した資料とかメモとかも出てきました。そして、買い置きや取り置きしてあった昔の部品とか。

 押し入れの奥にしまいこんであった箱の中に、古い真空管がけっこうたくさん溜まっていました。現在稼働可能なアンプの予備の分以外は、このままではおそらく使う事は無さそう。その中で、比較的簡単にアンプとか作って遊べそうな物がいくつかありました。その中で、ちょっと面白そうなのが6SN7。今回の6CA7アンプのドライバ段に使った6FQ7の原型となったGT管です。
 6SN7は6BX7-PPアンプに差し込んで鳴らしてみたことがあります。不適切な動作点であったにもかかわらずたいへん良い音でした。あらためて特性図から負荷を求めると、どうやら18KΩぐらいが良さそう。これで出力が1.2Wぐらい。練習と実験がてら作った6Z-P1シングルアンプと同じぐらいの出力です。ネットで見つけたページに定格3Wで16KΩのトランスがありました。小ネタが一気に現実的になって来ました。

名門の生まれ / NECと東芝の真空管と半導体


 メーカーのサイトには 5KΩと8KΩは価格が載っていて、16KΩは問い合わせとなっていました。問い合わせると、 どうやらある程度注文がまとまるごとに生産している感じでした。案外価格が安かったので注文しました。届くまで回路を考えたり部品の用意をしたりして待ちました。

 電源トランスは買い置きのジャンク物を使います。シャシーは私室のアンプたちと揃えて、薄いアルミの箱にします。ヒータ電力と管の大きさを考えると、ドライバ段は半導体の方が良さそうです。先日検討した「FET-Trカスコードで差動1段」回路で作ることにしました。手持ちの2SK30ではgmが足りませんから、ネット通販で見つけた2SK362を購入しました。案外安いので上に積むトランジスタも一緒に購入しました。2SC2688はNEC製で、これもテレビのクロマアンプ用。トランジスタを通販で買うのはほぼ40年ぶり。ただし、昔は最新品種を、今は廃品種を。
 調達に困ったのが電源のブロックコンデンサ。無いことは無いけれど大げさで高価です。基板付け用のコンデンサで耐圧と容量の合う物が比較的安価にありました。シャシー内に入れ込んでしまえばこれでも良いのですが、やはりシャシー上にすっくと立つブロックコンの姿は外観の点で重要。探すうちに、この細い外径に合うバンドが見つかりました。結局これも通販。単価は安いけれど送料込みだと微妙でした。

※ イチカワは真空管用トランスの製造販売を2022年1月で終了しました。

 

2014年1月27日月曜日

6BM8で遊ぶ計画

片付けをすると、そのうち使いそうと取り込んであった物がいろいろ出て来ます。

 昔に取り込んであった真空管がいろいろ出て来ました。何かに使えそうとか、ちょっと面白そうとか、単に出会った縁とか。

 特性的に面白そうな管でも本数が半端だと使いにくいです。手間をかけてしっかりした物を作っても消耗が怖いと実用にできません。ステレオにして片方が切れてしまったりしたら・・・・ しかしある程度まとまった本数が出てきた真空管もあります。

 6BM8は私が最初に使った管。最初はラジオを作ってアンプに改造して。

 6BM8は元々は欧州のテレビ用の管で、μ70の3極部と5 極出力部の複合管。ラジオに使えば1本で音声回路を構成できます。電蓄ぐらいなら2本でステレオに。出力部は、昔のラジオ少年の標準の6AR5と比べて低い電圧で高い出力が得られます。内部抵抗も低くて感度も高いです。3極部はオーディオ用としては中途半端です。電流は取れますが、少し感度を高くしようとしたり多目にNFをかけようとするとゲインが微妙に足りません。

 まず、プッシュプルにする場合を考えてみました。いちばん簡単に済ますならアルテック型でしょう。ステレオで4球。しかし3極部のμは70。1段ではどうやっても単体のアンプとしてはゲイン不足。前に1段置くならばミュラード型という手があります。初段に双3極管を片方づつ使ってステレオで5球になります。半導体とのコラボなら・・・と考えながらSPICEで遊んでいるうちに、2段差動回路ができました。

図中の数値は適当です

 2段目でけっこうゲインを取れますから、初段で振幅を稼ぐ必要がありません。FETに高い電圧をかける必要がなくなります。この程度なら出力管のバイアス回路用巻線から作れるでしょう。2段目は(差動入力なので)自己バイアスで済ませました。管にかかる電圧が低くなりますが、振幅が足りなくなるほどではありません。差動入力なのでそれほど深く下に引かなくてもバランスします。部品点数も少なくて簡単に作れそうな回路です。

 しかし6BM8をプッシュプルで使うと7~9Wの出力が出ます。普段使うには大きすぎです。やはりシングルで使って3Wぐらいが手頃でしょう。その場合3極部をどう使うか。このゲームはけっこう難しいです。

2014年1月24日金曜日

12BH7A PP : 回路を見直しました

わが家でアンプよりも変化があったのがスピーカー。スヒーカーとアンプって悩ましい関係です。

 昨日は大阪市内に出る用事があったついでに日本橋へ足を伸ばしました。抵抗数個とコンデンサ数個の買い物。交通費を加算するとけっこう高価になりますが、やはり目で見て買う方が安心です。特にコンデンサは種類が多く寸法形状も注意が要ります。

 相性というよりも資質の違いでしょう。何が相手でも無難にあしらうやつと、良いも悪いも個性を際立たせるやつと。昔はメーカー製の中型3way密閉型スピーカーを使っていました。一時期はやや小型の2way密閉型と小型の1wayバスレフを併用していて、以後は居間のスピーカーは中型3wayバスレフ、私室は小型の2wayバスレフという体制が長く続きました。どちらもAV機器である程度実績のあるメーカーの製品で、何が相手でもそれなりに無難に鳴るスピーカーです。
 居間のスピーカーに変化はありませんが、私室には箱を自作したスピーカーが加わりました。ちょっと工夫した箱で、10cmのユニット1個をやや大容量のダンプトバスレフ箱に付けた物。周波数特性はあまり平坦ではなく、インピーダンスの暴れも大きいと考えられます。音楽を選びますし、試聴位置によっても音像が変化します。いろいろ癖が悪いです。音はくっきり鮮やかですが、時には音楽ソースのあら探しのようになってしまいます。それでも慣れてしまうと、その緊張感がちょっと心地よく感じてしまったり。

 どうやら、このスピーカー。アンプにとってもずいぶん厳しいようです。アンプを繋ぎ替えると音がずいぶん違って聞こえる曲があります。トランジスタアンプが大出力化した時期の小容量バスレフ箱用の重いユニットを変則的な箱に入れた。おそらくインピーダンスの暴れに加えて逆起電力とかいろいろあるのでしょう。これが小型のモニタスピーカーでは目立たなかった欠陥を露わにしたのでしょう。そして新しい6CA7アンプから常用の12BH7Aに戻した時にこれに気づいた。
 先日の聴き比べで露見した12BH7A常用アンプの問題点。回路定数をSPICEに入れてみると、けっこう難ありの動作でした。ある程度きちんと計算した値が元でも、電圧や利得とか調整するためにあちこち増やしたり減らしたりしているうちに良くない方向にずれ込んでいたようです。昔のアマチュアの製作ではありがちな事でしたが、組んでみてそれらしく音が出たのでそれ以上は追求しませんでした。
 SPICEでのシミュレーションでは、カットアンドトライも速いです。電圧や電流を見て抵抗値をE24で加減して様子を見る。お茶を飲みながら何回か繰り返しても時間はしれています。どうやら抵抗数本とコンデンサ数個の変更でかなり改善しそうでした。そこで、今度はSPICEの検証。お告げのとおり部品を替えて音が変わるか。

 一時期のBGM用として作った物で、当初はこんなに長く活躍するとは思っていませんでした。平ラグ板の配線ですが、部品交換とか全然考えていませんでした。部品は縦横にぎっちり付いていて、その両側から配線が出てます。狭い所で邪魔な線を外したりしながら部品交換。けっこう時間がかかりました。
 で、鳴らして見ると、気になった「もっさり感」は無くなっていました。 SPICEってけっこう良く効くようです。

2014年1月20日月曜日

6CA7 PP : ドライバ段の回路

昔よく聴いた曲とかかけながら使った資料など片付けています。

 製作した6CA7アンプのドライバの2段差動はかなり初期から考えていたものです。出力トランスを譲り受けた頃の回路案の走り書きが出てきました。一応は計算したらしく、抵抗値が入っています。選球は常識的?に12AX7と12AU7です。深いマイナスを使うのではなく、1段目は-40Vと中途半端な電圧から引いていますが、バイアス回路用のマイナスを流用しようと考えたようです。直結は避けて2段目は自己バイアスにしています。
 2段目に300Vがかかっていましたから、出力段は350V程度加えて約40Wぐらいの出力という普通の動作を考えていたようです。この時のドライブは片側30Vぐらい(60VP-P)になるはずです。(この動作ではSW30-6は使えません。)
初期に考えていた差動2段ドライブ回路 2段目が自己バイアス

 トランジスタアンプでは当時でも差動回路はほとんど常識でした。しかし真空管アンプの回路としては特殊な部類で、初段に双3極管を使っても2ユニットをパラというのが一般的でした。2段差動は位相反転回路としては理想的で、全体では部品点数も多くないのに、あまりにももったいない。深いマイナス電源が要るから? それなら自己バイアスという手もあります。(2段目は差動入力なので自己バイアスでも影響は少ない)

 遊びついでにSPICEに入れてみました。組んだまま電源を入れる感じで、そのまま実行。あっさり動いてしまいました。ゲインは約250倍。振幅もじゅうぶん取れています。抵抗値を見ると、ゲインが高くなりすぎるのを抑えようとしたようです。意外としっかり考えていたようです。もっとも、この回路は裸では歪みが多い感じです。動作点もゲイン配分も詰めがあまいですが、初段をあまりマイナスに引けていないので、初段の平衡度が低くて歪みの打ち消しが効いてません。

 (注:ムラード型の原型は段間が直結でなかったらしいです。)

2014年1月19日日曜日

6CA7 PP : 慣熟運転中

しばらく鳴らして、真空管も部品もすっかり馴染んだようですが・・・

 最初は高音も低音もバラバラの印象でしたが、しばらく鳴らしているうちになんとなく落ち着いた感じになってきました。本当は定格ぐらいの音量で鳴らしてみたいのですが、狭い家では当然無理。dしかし、毎日この新しいアンプの音を聴いているのだから、こっちの耳の方が馴染んだという事もあり得ます。あらためて私室で常用している12BH7Aプッシュのアンプに繋ぎ替えました。
 やはりかなり音楽の印象が違って聞こえます。長く聴き慣れたアンプは(当時の製作意図でもあったのですが)ごく普通でぼんやり聴いてちょうど良いぐらいのの音。まったり癒し系とも言えるれど、新しいアンプの気合いの入ったの音と比べるとずいぶん「もっさり」して聞こえます。
 思いついて、先日作った6Z-P1のアンプも引っ張り出しました。意外なことに、小さな音ではいちばん貧弱な6Z-P1のアンプと大型の6CA7アンプの音が良く似ています。どちらも5極管ですが、それ以外は全然似てもにつかないアンプ。あと共通点があるとすれば、回路の設計の詰めにSPICEを使った事ぐらい。そこで、物は試しと、12BH7Aアンプのドライバ段までの回路をSPICEに入れてみることにしました。幸い6BL8のパラメータもありました。グラフを描かせて見ると、あまり良くない動作になっていました。このアンプを作ったのはもう20年以上前。その時には、前に6BX7アンプを作った時の計算書きを基に適当に値を加減した(テヌキした!)ように記憶しています。当時はまだマイコンがパソコンになったばかりの頃で、シミュレータはアマチュアが使えるようなものではありませんでした。そして、その6BX7アンプを作った70年代半ばは電卓の時代。
 アンプの設計と言っても昔はけっこういいかげんでした。アマチュアの製作では、メーカ公表の動作例そのままとか、略算式で計算したままというのが普通でした。理屈は抜きでここは○倍とか×Ωぐらいという慣習も多く、雑誌の製作記事でもそういった手法が解説されていました。入出力の容量やインピーダンスとかは都合良く忘れて、時定数はとんぶり勘定。さすがにトランジスタの時代になるとこの手は通じなくなりました。オペアンプなんて癖の悪い物も出て来て、丁寧に計算して確認しなければいけなくなりました。一時の徒花に終わりましたが、4chステレオなんてのもありました。先の6BX7アンプ製作の際には、当時の手法で真空管回路を見直そうとしました。今ならパソのSPICEで数秒もかかりませんが、計算尺(まだ関数電卓は持っていなかった)と集計用紙を使って夜な夜な計算を繰り返しました。

 という事で、居間のアンプも持って来ました。繋ぎ替えて、同様にちょっと大き目の音で鳴らし比べ。やはり設計した時代からでしょうか、帯域の取り方が狭い感じで、低音や高音の響きが少し物足りないですが、気になっいた「もっさり」感はありません。中域は新しい6CA7アンプと良く似ていますが、ボーカルの生々しさでは若干こっちが上。何事も細部まで気配りして丁寧にやらなきゃダメという事のようです。
 SPICEに入れた回路の定数をあちこち加減して、それなりにバランスの良さそうな値が求められました。計算も速いし、画面で波形を見ながら電圧配分とか考えられるのはたいへん楽です。回路はそのままで、抵抗やコンデンサをいくつか交換すればかなり改善しそうです。はたしてSPICEの効き目がどのぐらいなのか、やってみなきゃいけなくなりました。


2014年1月18日土曜日

余剰部品の始末

目的の6CA7アンプ製作は一段落しましたが、勢いが残っているうちにもう少し遊びます。

 このあと、修理などを除くと、おそらく電子系の工作をすることはほとんど無くなるでしょう。今までに溜まった半端物の部品がいろいろ出て来ましたが、おそらくほとんど使い道が無くなりそう。そして、なんとなく使うつもりで買い置きした真空管も。

あらためて部品箱とか残り物入れとかひっぱり出して整理。6CA7アンプ計画では基本的に受動部品は新規調達するつもりでしたから、このあたりはほとんど手を付けていませんでした。思い出してみると、今までにいろんな物に手を出したこと。それらの残渣がたくさん。古いトランジスタ、古いリニアIC、古いオペアンプ、古いTTL、古いマイコン周辺LSI。振り返ってみると、デジタル時代以降は特に変化が早かった気がします。能動素子は当然だけど、それらとのからみで存在意義があった部品群。トランジスタソケットやICソケットって、今では真空管ソケットよりも存在意義が薄い感じ。DINコネクタとかアンフェノールとかD-SUBコネクタとか、今後復活して何かに使われる可能性はほとんど皆無でしょう。今までにかなり廃棄して来たけれど、探すとまだあちこち隙間から沸いて出て来ます。

いわゆる「無駄な抵抗」というやつ

 抵抗器は、作る物によっては同時に同じ値を何本か使います。ステレオならたいていは2本単位。厳密な値が欲しい事もありますが、数倍違っても大差無い箇所も。その時々で適当そうな値を使ってます。SPICEで遊んでいる時もたいていはおおまかななカンでE24から選んで入れ替えてます。途中の計画変更もありますが、使いそうな値だと余分目に買っていたりもしました。あらためて集めてみると、けっこうな本数です。ただし、あらためて見るといずれもトランジスタやICで遊んでいた頃の物で、値の範囲がかなり偏ってます。残念ながら真空管モノには使えそうにないのが多いです。

 冬の部屋では暖かく感じますが、やはり大きなアンプは夏向きではありません。部屋で常用するにはちびっこいアンプでじゅうぶん。手持ちの出力管は6AQ5と6BM8がありますが、どちらもプッシュプルで使うとけっこう立派なアンプになってしまいます。電圧増幅管ですが、6SN7ならうまく使えば1Wあまりの出力になり、6Z-P1のシングルアンプと同格になります。残り物の半端部品がいくらかでも活用されるかしら。幸い都合の良さそうな出力トランスが現行品にあります。これは追い風? 買い足す部品がけっこうありそうですが、今度はきちんと拾い出して、余分な買い物はなるべく控えなきゃ。

2014年1月17日金曜日

6CA7 PP : 試運転とネジの交換


組み上がったアンプは安定して動作しているようです。しばらく部屋で鳴らしています。

 ちょっと大き目の音で聴き慣れた音楽を次々とかけながら、その合間に動作チェックしたりしながら webページ用の写真を撮ったりしています。
 シャシーに付いてきた部品のうちのいくつかは再利用しています。入力のピンジャックも元の物を使いました。清掃してチェックして支障無いと判断したのですが、やはり接触不良が起きるようです。若干加工するだけで嵌る物があったので、これに交換しました。その際にシールド板を供締め固定していた出力トランスの止めネジを緩めました。すると、ちょっと回すだけでポロっと外れました。ネジが短すぎで、やはりこれはマズい。

 で、いろいろ用事をしがてら日本橋へ。日本橋には老舗のネジ屋さんがあります。今回のお目当てはここ『ナニワネジ』。たいへんたくさんの種類のネジを小袋で売ってます。太さや長さの違うネジが材質ごとに区分して陳列されています。ナットや座金とかも形や材質がいろいろ揃っています。小ネジの類はひと袋50本とか100本ですが、単価で見ればかなり割安。ホームセンターで20本買うならナニワネジで100本買うという具合で、昔からこちらのお世話になってます。まあ、その結果使い残しのネジが膨大な量溜まっているのですが。(今回の使用した小ネジはすべてこういった買い置きです) 

真空管の灯り / 6CA7の中が高温なので青白く見えてます

 ネジって悩ましいです。規格品で太さが合えば締め合わせできます。一般的な径と長さならホームセンターとかでも売ってますが、材質や頭の形とかちょっと条件が付くと揃わなかったりしますし、もうひといき長い物とかもありません。御近所で少量か買えるのは便利ですが、大物の製作などで小ネジがたくさん要る場合は案外高く付きます。ネジ会社へ行くといろいろあって単価は安いのですが、キロ単位で量り売りとか。最近は少量か購入できる通販もありますが、一度に何種類も頼むのでなければ送金料と送料が代金の数倍にもなってしまいます。この点、小袋販売してくれるネジ専門店というのはたいへん有り難いです。

 使用したMQ-60のシャシーは鉄板の上にアルミ板が重ねてあって、普通のシャシーより厚さがあります。電源トランスの取り付けの際には、上下にワッシャを入れるとネジが届きませんでした。しかたなく、少し長いネジに交換しました。ごく一般的な4mmのネジなのですが、5cmを越えると置いている店は限られます。やはり御近所のホームセンターを回っても無くて、結局ネジ屋さんへ行くことになりました。
 ネジは規格品ですが、過去に規格が変更されています。このため古い製品を修理したり古い部品を利用したりしようとすると古い規格のネジが必要になる事があります。今回使用した部品のうち、出力トランスはこの切り替わりの時期の直前頃の製品で旧JISネジが使われています。取り付けネジの径は4mmですが、現行のISOネジとはピッチが違います。元々のトランスに付いてきたネジがあったので、これを使って取り付けたのですが、長さが微妙に足りていませんでした。前述のシールド板を供締めしているネジはその分余計に長さ不足が影響したようです。
 旧ネジなんて、絶対にホームセンターなんかには置いていません。最悪はネット通販も考えて、とりあえず日本橋のネジ屋へ。さすがに専門店です。材質はユニクロしかありませんでしたが、いろいろな長さの旧ネジがありました。使用量が少ないのに合わせたのでしょう。1袋10本入りですから、所要本数の8本にちょうど良かったです。(単価で見ると現行ネジよりかなりお高いですが。)

2014年1月16日木曜日

6CA7 PP : 試運転中

最後は一気に進んで予定よりもすんなり完成しました。

 ここ毎晩聴き慣れた音楽をかけています。最初は妙に低音と高音が目立って聴こえてしましたが、だんだん落ち着いてきました。低音は柔らかく響く感じですが、高音はくっきりちょっと硬く聞こえます。パソからmp3を再生すると、同じデータでもパソによって音に違いがありす。以前から気になっていたのですが、このアンプではその差が目立って感じられます。そして、大出力アンプの余裕という事なのか、多少ボリウムを上げてもあまり音量が増した感じがしません。
 各部の電圧を再確認しました。ドライバ段の真空管はすべて取り置きしてあった中古から適当に選んだ物ですが、支障なく作動しています。出力管も安定して動いているようです。バイアス電流を正規に調整しなおしました。バイアス電圧の調整範囲がかなり偏っていたので、抵抗1本を交換して修正しました。その後、内部の配線を整理してビニル紐で括り直しました。これでひとまず完成です。中古部品を使った電源部のブロックコンも支障なく使えています。これは適当な物に巡り会ったら交換したいと思います。

配線を整理して括りなおしました

 シャシーの通気が良いうえに定格からかなり抑えた動作という事もありますが、真空管まわりはあまり熱くならずにすんでます。冬に部屋で使うにはほどよい程度。大きくて重いので扱いが大変ですが、しばらくの間このまま鳴らそうと思います。まあ、押し入れを整理しないと片付けるスペースが無いという問題もあるのですが。

2014年1月14日火曜日

6SN7 PP : 回路を考えてみる

様子をみながら少し大きめの音で音楽をかけながら、その合間にもうひと遊び。

 しかしSPICEってたいした物です。ササっと回路らしき物を作って、適当に抵抗値とか決めて、とりあえず走らせて、各部の電圧とか電流とかグラフに描かせて 、バランスみながら回路を修正して。本当はもっと緻密な設計に使われる物のはずたけど、とりあえずゲーム感覚で遊べます。なんせ、フリーでソフト代が無料。もちろん試作の部品代も不要。ゴミも出ないし部屋も散らからない。

 アルテック型のポイントは、ゲインも振幅も初段でまかなって、2段目は反転に徹する潔さ。5極3極の複合管なら1本で済みます。 しかし初段は100倍以上のゲインと数十ボルトの振幅が要ります。半導体化しようとすると、単体では難しいけれど、カスコードという合わせ技を使えば2SK30でも可能。反転段は高い電圧に耐えて振幅さえ取れれば何でもよし。という具合でSPICEを使って適当にでっちあげてみました。
 いいかんじで正負の出力が出ます。綺麗にバランスしていてますが、初段から来る歪みが気になります。歪みの点では差動アンプの打ち消しは効果的。半導体なら2段差動にして性能を上げるのは容易。初段のJ-FETはモード変換に徹して、次段のトランジスタで振幅とゲインを稼ぐというのがひと昔前の大出力DCアンプの常套手段。しかしここまで来ると完全に石アンプの設計です。SPICEで試さなくても動くのは判りますし、この道を進んでも「全然おもしろく無さそう」。しかも実際に作るとなると(DCが帰還されないので)ドリフト対策とかSPICEでは追いにくい問題がたくさん出て来るのも判ってます。
差動1段位相反転回路 半導体版

 あらためてカスコード接続2組で差動1段回路を作ってみました。やはり2SK30ではgm不足でゲインが取れません。ネットでメーカーの製品リストを拾って、その中からSPICEのデータが見つかった物を選びました。ネット通販を調べると比較的安価なようです。カスコードにすると、6AU6あたりよりひとクラス高gmの5極管相当になります。所要のゲインと振幅を得るには負荷抵抗は低目で電圧も低くて済みます。カソード(ソース)を深く引けないので、ここは定電流回路を入れて・・・と考えていて気づきました。カスコードアンプ全体では高い電圧で動いていて、バランス上はその分深く下へ引かなければならないようですが・・・FETについては上のトランジスタで低い電圧に抑えられているので、実際はバイアス電圧程度から抵抗で引けばそこそこバランスしそうです。
 電源トランスのあまったヒーター巻き線を整流して正負の電圧を得るものとして、適当に回路を作ってみました。上下のアンバランスは数%で、部品の誤差に吸収される程度。 歪みも少なくて、けっこういいかんじです。

2014年1月13日月曜日

6CA7 PP : 動作チェック

部品を盛り付けたラグ板を配線。ラグ板配線は仕上がりが速いです。

 狭い中で配線のとりまわしに苦労しました。ラジペンとニッパーをてこのように使って被覆を剥くという昔会得した技を駆使して作業。使い慣れた鉗子も大活躍。引き回してあった線のうち、長さが足りなかったのがありましたが、まあだいたい予定どおり。

 念のため、あちこち抵抗とか測って確認。どうやら致命的な間違いは無さそう。という事で、(管は挿さずに)おそるおそる電源を入れました。火花も煙も無し。大急ぎで各部の電圧を確認。なんせ、電源まわりが大がかりですから。ひととおりそれらしい電圧が出ているので、ドライバ段の管を挿しました。直結段が無いので1段づつ確認できます。プレートもカソードもほぼ予定の電圧。ちゃんと動いている? 思い切って初段の管も挿してみます。やはり電圧は予定の範囲内。ACを確認すると・・・何か拾っているのか電圧が出ています。発振か?? 今回は「オシロ」という武器があります。押し入れから引っ張り出して波形を見ると、60Hzの交流波形。ハムを疑ったけど、どうも違うみたい。どうやらどっかから誘導を拾っているらしいです。グリッド付近の線を整理してみると少しレベルが下がります。やはり電源トランスと管が近いのが問題のようです。間のあたりに金属物を入れるとレベルが下がります。シールド板追加も検討。

裸ゲインは約200倍

 とりあえずそのまま発振器を入力に繋いで、レベルを上げてゆくと・・・ドライバの出力に波形が出ます。上下でちゃんと逆相になっています。当たり前なのかもしれ ないけど、拍子抜けするぐらいアッサリと。振幅もじゅうぶん振れます。いきなり動かれると、なんとも不思議な感じです。入力と出力のレベルをオシロの目盛りの読みで比較すると約200倍。SPICEが出した裸ゲインどおり。しかし、SPICEってたいした物です。

 出力段のバイアス電圧が出ていることは確認済み。あとは出力段の動作だけです。その前に、製作したアンプ自体を利用して出力管の選別をおこないました。手元には中古の6CA7が合計9本あります。これに電圧をかけて、電流がちょうど良くなるグリッド電圧を測ります。1本だけ変な値が出ましたが、他はほぼ似た値。その中からほぼ同じ値のペアを作りました。

 イザ、出力管を挿して動作チェック。波は出ています。発振しているような様子はありません。このままいける?? いちど周囲を片付けて、入力に音楽ソースを繋ぎ、用心のため実験用のスピーカーを繋いで、スイッチオン。微かにブーンとザーが聞こえます。ボリウムをゆっくり上げるとちゃんと音が出ます。少しノイジーな感じですが、ちゃんと鳴ってます。ここまで来たらあとは最後の仕上げ。NFの線を繋ぎます。ノイズがすっと消えて静かになりました。念のためDC電圧とAC電圧を確認。発振もしていません。ボリウムを上げると当たり前のように音楽が聞こえます。一応用心のつもりでバイアスを少し深目に調整しました。馴染んでから再調整するのが良いでしょう。

 しばらく様子を見ても異常が無いので、常用のスピーカーにつなぎ替えました。古い真空管がまだ馴染んでないからでしょう。低音も高音もちゃんと鳴っているけど、何かバラバラの感じ。しばらく様子見です。

2014年1月10日金曜日

6SN7 PP : 動作と位相反転回路

足りない部品があります。買い出しに行くまで作業は停滞です。別に急ぐ事ではないので、遊びます。

 で、6SN7でパズルゲームの続き。 8KΩのトランスを強引に2倍で使うのも考えましたが、探すと比較的安価で16KΩというトランスがありました。最近はやりのミニアンプ用でしょうか、3Wというのも手頃です。ゲームにリアリティが出て来ました。

 MT管の6CG7は1ユニット3.5Wで2ユニット計5Wの制限がありますが、バルブが大きい6SN7にはありません。ピーク耐圧が高いので、負荷抵抗を高目にして高目の電圧で使う方が良さそうです。古い規格の管も使うのでB電圧を300Vほどで考えます。6Z-P1アンプに使ったのと同じ中古の電源トランスが1個余っていますから、ちょうど良さそうです。

 カットオフ付近の特性の良い管ですから、AB級でバイアスは深目にしても良いと思います。無難な所で線を引くとバイアスが11Vぐらい。プッシュプルですから、22V-PPのドライブです。これで約1.2Wの出力です。そうなると、出力段のゲインは約1/3倍。さすがに3極管です。
 わが家基準に揃えるとすると、仕上がり利得が約15倍。ドライブ段の設計では振幅よりもゲインが厳しくなります。軽くNFをかけるとすると、ドライブ段で60~90倍ぐらい必要です。 真空管であれば、前が5極管のP-K分割か、3極管-3極管のカソード結合型でしょうか。アンプの規模を大きくしないためには5極-3極複合管でP-K分割でしょう。6BL8は手持ちに余裕がありますが、これを使えば6BX7-PPアンプとまったく同じになってしまいます。全然面白くありません。

 やっててふと思いだした事。普通カソード結合型の位相反転段は3極管ですが、ここは3極管である必然性は無いのです。ただ双3極管が簡単で便利なだ け。5極管を使えば、ゲインが増して平衡度を高く取れます。ここで必要なゲインを稼げれば前段の利得が不要になります。つまり差動1段。片入力の差動アンプなのでゲインが1/2になりますが、ハイゲインの5極管なら足りそう。高価な5極管を使うけど管の数は同じ。差動の打ち消しが働いて歪みも少なくなるはずです。
5極管差動1段ドライブ回路

 そこでSPICEを活用。5極管を2本使って差動アンプにしてみます。差動アンプとして平衡度を上げるには高い抵抗で深いマイナスに引くのがいちばん。とりあえずB電源の1/3ぐらいで引いてみます。真空管に6AU6を選んで抵抗値をちょっといじると、すんなり正負の信号が出ました。ゲインも片側120倍ぐらい得られますから、5極管で10Wクラスのアンプに使えばほど良くNFがかかります。そしてハイゲインの威力で、正負のアンバランスは数%以下に収まりました。けっこういい感じ。

 しかし私室で常用するなら、あまり大げさなのは困ります。前述のトランスを使うとなるとヒーター電力も抑えたいです。やはり半導体とのコラボでしょうか。

2014年1月7日火曜日

6SN7 PP : アンプに必要な出力

足りない部品の代わりに使える物がないかと押し入れの箱を捜索。


 部品の買い忘れがありました。動作を測って値を変更という事もありますから、とりあえず代用しておいて後で付け替えという道もあります。実験に使った余りとか解体物とか無いかともおったけれど、そう都合の良い物はありませんでした。そのかわり、買い込んであった真空管がひとまとめ出て来ました。物は6SN7で、今度の6CA7アンプに使う6CG7の元になったGT管です。

 6SN7は足の接続が6BX7と同じです。興味半分に特性を見たら、自作の6BX7プッシュプルのアンプにそのまま差し込んでも定格内でした。試しに差し替えて鳴らしてみると、あきらかに出力は不足でしたが、それは綺麗な音がしました。当時の知人はこの音を聞いてMT版の6FQ7をパラにしてプッシュプルアンプを製作し、サブアンプとして鳴らしていました。
 これが元で、なんとなく出会った物を買っていたらしいです。6SN7は昔は全然高価な管ではなかったです。あちこちのメーカーの管が2本づつ。せっかくだからこれも活用してやりたい。そうなると、パラでシングルか片側づつ使ったプッシュプルでしょう。これで常用できるアンプになるかしら。

 必要なアンプの出力はスピーカーや聴く距離などで大幅に違って来ます。居間に常駐している6BX7-PPアンプは約5Wの出力。私室で普段働いている12BH7A-PPは約2.5Wですが、先日作った6Z-P1シングルでも不足は感じませんでした。実はお正月を挟む時期、6Z-P1のアンプを居間で鳴らしていました。音質の点では予想以上の大健闘で、普通に聴く分には全然支障無しというか、むしろ気楽に聴ける感じの音でした。ただ、音量がぐっと大きくなる部分ではちょっと詰まって音がダンゴになる感じがしました。やはり1Wあまりの出力では居間では力不足のようです。しかし逆に見れば、私室で普通に聴く分には1Wでも全然支障無いと考えられます

 昔試した時には差し替えて定格を越えない事を確認しただけでした。 あらためて、特性図から出力管として使う場合の動作を探ってみます。許容損失が大きいと言っても元々は電圧増幅管。本物の出力管とは流れる電流が違います。6BX7のアンプは8KΩのトランスですが、これでは小さすぎ。どうやら最適負荷は18KΩぐらいのようです。この場合は1.2Wほどの出力になります。先の知人はパラにして6AQ5用だったと思われるトランス(10KΩ?)を付けていました。単ユニットでは20KΩ相当ですから、これは良い動作点です。単ユニットで無駄なく働かせるにはトランスがカギになりそうです。

2014年1月3日金曜日

6CA7 PP : ボンネット

内部の作業が進む間に新しい展開が。

 ひと昔前の市販の真空管アンプのほとんどは通気性の良いカバーで上面が覆われていました。自作用にボンネットカバー付きのシャシーも売られていました。しかし最近の真空管アンプにはボンネットカバーが無いです。飾って真空管の灯りを眺めるにはそれで良いでしょうけど、部屋で実用しようとすると、万一の事故が怖いです。やはり何かカバーが必要。そう思って探しても現在市販のシャシーでカバー付きというのほとんど無いです。

 ナマのシャシーを買う替わりに入手したLUXのMQ-60のジャンクのシャシー。故障品を解体して使えそうなトランス類など外した残りらしいですが、ボンネットカバーがありませんでした。 MQ-60のシャシーはコンパクトなOY-15トランスにぎりぎり合わせたようなサイズ。ひとまわり大きなトランスなどを載せてボンネットを被せられるか、正直ほとんど無理と思っていました。だから後で管の部分を覆うカバーのような物を自作するしか無いと思っていました。
 実際にシャシーにトランスなどをあてがって見ているうちに、なんとかある程度の余地を取ることができました。内側の支障する部分を削れば、本来のMQ-60用のボンネットを使えそうです。シャシーのジャンクがあるなら、ボンネットのジャンクもあるのではないかしら。パンチング板など使って製作するにしてもそれなりに費用がかかります。思いついて探すと、都合良くボンネットのジャンクも出ていました。

ボンネット被せました 後ろ側の様子

 ボンネットはシャシーの穴に嵌るだけでしっかり固定される構造ではありません。出力トランスと干渉する内側の部分を削りました。外観はまったく変えずにうまく被さるようにできました。しかし微妙な歪みからガタツキがありますし、ボンネットがシャーシー上面に直接当たるのも気分的に良くないので、 薄いゴム片を挟んで少し浮くようにしました。

 背面の部品はほとんど元のまま使っています。電源コードは傷みがあったので新品交換しています。スピーカー端子は、元の物が使いにくいので、手持ちの物と交換しました。30Wを連続で使うには頼りない物ですが、どうせそんな使い方はしませんから使い勝手優先です。この点ではスピーカーのインピーダンス切り替えスイッチはあきらかに容量不足。こちらは交換を考えたのですが、そうすると元のツマミが使えなくなるので当面はこのままです。
 ボンネットは背の高いOY-15(95mm)を覆う高さがあります。本来の6C-A10はずんぐり太短い(高さ83mm)のに対して6CA7は背が高い(98mm)ですが、支障無く収まります。ちなみにSW-30の高さは85mmで、新しい電源トランス(90mm)よりも低いです。

6CA7 PP : 電源回路の配線

電源が真ん中に左右対称の配置。配線の引き回しもこれに従って左右対称。

 出力管のプレートとG2は別電源です。これに差動段のマイナスが加わって、電源回路は3組あります。バイアス回路の電圧はマイナス回路から分圧して作ってます。そしてヒーターバイアスはプラス電源から分圧して。差動段が2段ですから、これに行くプラスが2本とマイナスが2本。繋がる線の数はたいへん多いです。往復で変なループができないように、電源部からアース母線に沿わせて左右へ。
 真空管はドライブ段と出力段が変な形に折れ曲がった配置になっています。このあたりも混み合っています。とにかく狭いです。引き通した線を仮に括ってまとめて、また解いてくくり直して。
(完成後に写真と入れ替えました)

 電源部を配線したので、管は無しで試しに通電。火花も煙も無しでひとまずこの段階はクリア。真空管のソケットまわりを配線。半分ソケットに被さる位置に部品を盛り付けた平ラグ板が付きますから、最後はかなり狭い所での配線作業になります。
 部品配置が左右対称なので、平ラグ板の盛り付けも左右対称になります。これがたいへん面倒。片側を先に作って、それを見ながら反対側を組み立てる。その過程で、頭の中で左右を反転させるのですが、油断するとここで間違えてしまって付け直したり。

 今回は詳細な部品表は作りませんでした。SPICEで試した回路から値を拾って買い出しメモを作ったのですが、やはりいくつか見落としがありました。足りない部品を買いに行くまで、しばらくの間はたいした事はできません。

2014年1月1日水曜日

6CA7 PP : 組み立て開始

配線に必要なラグ板とかネジ類とか揃ったので、組み立て開始です。

 重いトランスなどは後にしたいけれど、これらの止めネジをラグなどの固定に使ってますし、位置関係が決まらないと配線の引き回しも定まりません。利用したMQ-60のシャーシーは、あきらかに見掛け重視の配置です。電源スイッチは出力管の配線と干渉する位置ですし、入力端子とボリウムは出力トランスや出力端子まわりの配線と近すぎます。空所はありますがどうも使いにくい場所。とにかく中が狭いです。
 
 年末に電源トランス取り付けネジを調達するのと併せて部品屋を4軒ハシゴ。1/8Wや1/4Wの抵抗は揃っていても、1/2Wや1W以上の抵抗は値によって無かったりします。熱的な余裕と耐圧の点で、物理的にあまり小さな物は不都合です。1/2Wや1WとかもE24で揃っていて欲しいです。
 探して見つからなかったのが電源部のブロック・ケミコン。出力段用の500V耐圧の物はなんとか見つかりましたが、ドライブ段用の方は適当な物がありませんでした。あとでまたゆっくり探すことにして、とりあえず手持ちの中古品と元のMQ-60のジャンクに付いていた物を使っておくことにしました。念のため容量をチェックしました。

 まず電源の1次側、出力部と配線。真空管ソケットの取り付けネジにタイト端子を付けて、ここを足場にグランド母線を張りました。トランスの取り付けネジを利用して入力端子部分を遮蔽するようにシールド板を設けました。電源トランスの取り付けネジに高ナットを重ねて、ここにバイアス調整用のボリウムを付けました。6CA7のヒーターは1本が1.5Aです。ここは太い線を使いました。

電源の1次側とヒーターの配線をしたので、真空管を挿してテストしました。

 このアンプは電源まわりが複雑なかわり、一部づつチェックしやすいです。電源の1次側も配線したので、まずは無負荷で通電して電圧チェック。異常無しなので、テストかたがた真空管をさし込んでヒーターを点灯してみました。数分間点灯しましたが、それほど熱くはなっていません。