2018年11月29日木曜日

真空管の名前

真空管の名前には、一定のルールがあることになってますが・・・

 日本で一般的に使われていた真空管は米国系。これに日本独自規格の管が加わります。元々は欧州系の管も、日本では米国での名を名乗っていました。

 米国系の管名は、ヒーター電圧を表す数字+英字1または2文字+電極数を示す数字 という構成。英字は登録順に付くのが基本なので、電圧違いの相当管でも違うことが多く判りにくいです。末尾の数字も、複合管の構成はわかりませんし、シールドの扱いなど不統一もあります。この点、欧州の型番は判り良いです。最初の英文字はヒーターを表し、レス管の場合は電流が示されます。続く英文字は内部ユニットを表し、複合管は複数文字になって構成がわかります。その次の数字1文字は管形、その後は追番です。

元のシャシーの印刷には間違いがありました

 日本の管名は、米国と欧州の混合という感じです。最初の数字がヒータ電圧なのは米式と同じ。次の英字は管形で、ハイフンを挟んで、その次に欧州式のように内部ユニットの種類を示す英字が来て、最後はそのユニットについての通し番号。ヒーター違いや管形違いでも後半部が同じになるのが工夫されている点のように感じます。

 寒くなって来たので、発熱の多いアンプでもメンタル的に使いやすくなりました。大物の6CA7-PPアンプを出しました。これはラックスのMQ-60の解体シャシーを利用しています。上面には元々使用していた管名が印刷されています。回路が変わって載る真空管も変わりました。ドライバ段の管の所は(間違いを防ぐ意味で)新しい管名のラベルを貼りました。出力管は間違いようが無いのと、使用する6CA7と似た名前が書かれていたので、そのままにしてありました。
 ここに使われていたのは日本生まれの3極管で、6C-A10のヒーターを50Vにした管。50CA10と書かれていますが、日本式の型番なので 50C-A10とまんなかにハイフンが入るのが正しいです。
 という事を考えているうちに、ふと気づいたこと。6CA7は普通の5極管です。米国式の基準に従えば末尾の数字は5か6です。末尾7は絶対に変です。

[製作した6CA7-PPアンプの詳細は→こちら]