2019年6月17日月曜日

12G-B3/B7の3結アンプに使うトランス

水平偏向管を使ってアンプを作る。子ども時代に思いついたとしても、大きな難関となったと思われるのはトランス。今ならクリアできそうです。

 12G-B3/B7は3結にすると、低い電圧で大電流が流れる特徴はそのまま、 素直な特性になるようです。3極管で電圧の割に電流が大きいというのは内部抵抗が低いという事。これはそれで有名な2A3以上です。しかしそうなると低インピーダンスで大電流を流せる出力トランスが必要です。2A3用は3.5KΩですが、最適なインピーダンスはこれよりも低くなります。昔のトランスメーカーのカタログには、そんなトランスは載ってませんでした。電源100Vをそのまま半波整流するトランスレスラジオ用の管は2KΩぐらいのトランスを使う物もありましたが、これらでは電流が足りません。

 現在、一般アマチュア向けに販売されている真空管用の出力トランスの定格はネットで調べられます。 ひととおり探してみると、「春日無線変圧器」と「東栄変成器」の製品で2KΩで5Wという仕様の製品がありました。どちらも重畳電流は定格内です(東栄の方が若干大きい)。
 これらは通販可能ですが、秋葉原に実店舗もあります。所用で東京に行ったついでに東栄に寄って見ました。あれば買って帰る程度のつもりでしたが、幸い店頭在庫がありました。型番はOT-23SRで1次側が3Kと2KΩで許容重畳電流が100mAあります。購入の際に聞いた話しでは、やはりあまり売れない製品だそうです。
 
東栄変成器のトランスを使うことになりました

 難関の出力トランスがクリアできたので、検討したプランどおりに進められます。

 電源トランスはいくつかの方法が可能ですが、今回はあまり面倒な事はせずに既製品をそのまま使うことにしました。使えそうな製品は 「春日無線変圧器」と「東栄変成器」にあり、どちらも規格はほぼ同程度です。出力トランスと一緒に購入したので、東栄のPT-22Nを使うことになりました。B電源が140V(CT)で220mA、ヒーターは6.3Vの2Aが2つ。容量的には余裕たっぷりです。

 という具合で、要となるトランスが揃いましたから、あとは少しづつゆっくり進めるだけです。