2017年4月25日火曜日

代用ブロックコンデンサ ( 6CA7-PP 用 )

無いを有るに替える工夫は有るか? 実際ひと手間かければ何とかなることもあります。

 しばらくぶりに電気ものの製作を再開したのは、長年の懸案「6CA7-PP」アンプの製作が機会。昔に確保した部品はあれこれありましたが、足りない物はあちこち探して購入しました。昔と大差無い部品もあれば、特性的に大幅に向上した物もありました。しかし入手困難な物も。
 最近はまた真空管アンプが作られているようですが、真空管からトランジスタに移行して、それが行ききった先で折り返して来たような 感じでしょうか。問題は、電気部品の多くは大きな工場のラインで量産される物ということ。良く売れる物はどんどん改良されて優れた物が作られるけれど、売れない物は停滞して消滅して行きます。

 最近の受動部品は、電気的な特性以上に信頼性が高くなっています。小型化も進んでいるので、容量的に余裕のある物を使用すれば、さらに安心感が増します。趣味的な市場向けに昔の技術で少量製造されている高価な部品もありますが、ノスタルジー的な意味を除けばこれらに拘る必要はほとんど無いでしょう。

最近のコンデンサは性能が向上して小型化しています。余裕で入ります。

 信号系のコンデンサについては、現代のコンデンサの方が特性も信頼性も段違いに優っています。昔のコンデンサは(現役当時でも)劣化が心配な部品でしたから、古いジャンク品は論外、たとえ未使用でも古い在庫品を使用するべきでは無いと思っています。


 ところが悩ましいのがプロックコンデンサ。昔の真空管アンプには必須だったけれど、今では高耐圧の品は事実上絶滅しています。電気的には優れた代替品がありますが外観に影響します。

 6CA7-PPアンプ製作の際には、プレート回路のプロックコンデンサは海外製の新品を使用しましたが、他は『とりあえず』手持ちのジャンクを使いました。電解コンデンサは未使用でも古くなると劣化します。使用前に測定してあまり劣化していない物を選んだのですが、今後も長く使うには不安要素です。
 その後にアンプを製作する際には、入手不能なブロックコンの代用に最近の技術で作られた「基板自立型コンデンサ」を使いました。太くて短い物ならば入手容易で価格も比較的安いですが、背が高くブロックコンのようにシャーシ上に立てて見栄えする物はあまり出回っておらず、価格も高目でした。


 先日ふと思い付いたこと。昔のブロックコンの直径は約35mm。入手容易な基板自立型コンデンサの外径は25~30mm。背が低いので、縦に積んだら古いブロックコンの円筒の中に2個入ります。つまり、代替困難な2個入りブロックコンデンサの代用品として使えるはず。


 容量が抜けた古いブロックコンを切断して内部を抜いてその中に新しいコンデンサを入れました。端子部分は元の物を接着しました。見た目は昔のブロックコンデンサのままですが、電気的な性能も信頼性も格段に高くなります。こうすれば現在は入手困難な複数入ったタイプのプロックコンを代替できます。