2016年1月5日火曜日

余剰の出力トランスの活用を考える

あまり使わないままなりゆきで余剰になった出力トランスを活用するという思考ゲーム

 まず条件を列挙。8KΩのプッシュプル用トランスを活用する。実用的なアンプにする。あまりお金はかけない。入手困難な真空管は使わない。なるべく手持ちの余剰部品を活用する。

 トランスの定格は10Wですが、そんな大出力は不要です。私室で使うアンプとすると、1Wでも足ります。普通に8KΩで使う管を探すと、普通では6AR5あたりでしょうか。昔は安く出回っていた管ですが、最近はかなり高価になっています。そして、これだと6Wほどの大出力が出てしまいます。もっと小出力の管。昔のトランスレスラジオ用の管は、今では入手が難しくなっていますし、バラツキが大きい(らしい)のでプッシュプルにできるペアが組めるかどうか。だいたいPPで8KΩには合わないような。

活用されたそうにしている部品たち


 2次側の4Ωに負荷を繋いでインピーダンスを2倍にして使うと16KΩになりますから、電圧の割に電流が少ない管を探すことになります。先に製作した6SN7-GTのアンプが16kΩのトランスを使っています。電圧の割に低出力の5極管というと・・・6Z-P1か。

 考えているうちに思い出したのが、6AK6という管。定格も特性もだいたい似通っていて、今では入手困難な6Z-P1の代替にもなるらしいです。大型のST管に対してちびっこい7ピンMT管。詳細に見ると、外観だけでなく本来の設計意図も日本的な戦時設計の6Z-P1とはだいぶ違うようです。

  6AK6という型番もちょっと面白いです。米国式の型番は一見論理的ですが、名が似ていても全然別物とか、微妙にまぎらわしいです。 それでも出力用5極管は末尾5が多いですし、末尾6は電圧増幅管が多いとかある程度の傾向はあります。その中で危ないのがこの6AK6と6AK5の関係。6の方が音声用出力管で5の方が高周波用電圧増幅管。実物を見れば判りますが、型番だけではだまされそうです。