2014年10月5日日曜日

6BM8 Single : 真空管の背丈

アンプづくりにはいろんな作業が要ります。普通は金属製のシャシーに組みますから、金属加工は避けにくいもの。

 特別な道具を出して来たり、屑が散らかるような作業はまとめてやる方が能率的です。アルミ板を加工するついでに少し前から考えていた作業を実施。
 春に作った6BM8シングルアンプ。回路はひとひねりしましたが、部品配置はごく普通。外観は完全に「初歩のラジオの制作」という感じになりましたが、美観という点ではいまふたつぐらいバランスが良く無いです。問題は6BM8の背が高いこと。太さは普通の9ピンMTなのですが背丈が1cmほど高く、広いシャシーの上に2本だけ立つと余計にひょろっとして見えます。

真空管を1cm下げました

 6BX7ほどではありませんが、6BM8もけっこう熱くなる管です。熱対策には通気が有効。6BX7アンプでは管のまわりに通気穴をあけましたが、真空管ソケットを別パネルに取り付けてシャシーとの間に隙間を設ける方法もあります。後者の場合、段差の分だけ管が低くなります。熱対策とあわせて、管を低くすることを考えました。
 管を下げると、その分だけ内部は窮屈になります。全体の部品配置はあまりいじれないので、真空管まわりの部品の取り付けだけでカバーしなければなりません。ソケットと重なる位置に平ラグ板を置いていましたが、当然これは無理。ソケットの両脇にラグを立てるしか無さそうです。スペースの節約と作業効率の点ではラグもパネルに立てるのがよさそう。手もとには昔にジャンク屋で入手したタイトラグがあります。その中で比較的背の低い物を利用することにしました。パネルは1cm下げられます。
 パネルは残材を活用しました。厚さ1.2mmの黒色アルマイト。アンプは真空管まわりだけ解体して、元のMT管ソケットの位置にGT管サイズの穴をシャシーパンチで開けました。元のネジ穴が見えてしまうのは仕方無いです。回路自体は同じなので部品はすべて再利用です。

 管が1cm下がると電源トランスとほぼ同じ高さになりました。管の周囲の穴も見た目のアクセントになっています。 手間はかかりましたが、それ以上の効果がありました。捨てずに残してあったタイトラグも活用できましたし。