2018年12月5日水曜日

電源トランス 12AU7-PP

真空管装置の大物部品は穴を開けた箱形シャシーにの上面に取り付けて、下側で配線するのが普通。

[製作した12AU7-PPアンプの詳細はこちら]

  真空管は熱くなります。垂直で使うのが基本で、シャシーに付けたソケットに上から挿すのが普通(横倒しは配慮すれば可能、倒立はダメ。)です。そうすると、真空管まわりの受動部品はシャシーの下面に付くのが自然。シャシー自体をシールドとして利用しやすいです。
 シャシーのシールド効果を利用しつつ、空間を有効利用するためには、電解コンデンサやトランスなど大物部品は上面に置きたいです。ブロックコンデンサや伏型のトランスはこの使い方に便利なように進化した結果のように思います。

汎用の電源トランスはたいへん安価です
逆に言えば、シャシーの上下に部品と回路を付ける構造でなければ、これらの形状は必要がない。特に伏型のトランスなど、他の実装方法ではたいへん使いにくいです。このため、現在では真空管用以外の普通のトランスで伏型は無いです。

 真空管用は今では特殊なトランスで、品種が限られていて、値段も他に比べると高いです。汎用のトランスが使用できれば安くすみます。 予定している12AU7-PPアンプでは、汎用のトランスを使うことを考えました。安くすむかわり、当然普通のバンド型です。
 高圧電源はAC110V~120Vで足りますから、ACライン用の絶縁トランスが利用できます。ヒータはトランジスタ回路用のAC12Vのトランスを使用します。定格より5%低くなりますがこの程度なら支障は少ないでしょう。ドライバ回路は整流後安定化して±15Vを得るためにはAC12Vでは微妙に足りませんから、もう少し高い巻線が必要です。巻線の片側が接地になりますが、この2つは一つの巻線から取ることが可能です。

 まず大阪で探したのですが、残念ながら適当な物がありませんでした。そこで、東京へ行く用事があったついでに、秋葉原の東栄トランスで購入しました。

※バンド型の出力トランスと電源トランスを普通に取り付けると磁芯の方向が平行になってしまいます。取り付けに工夫が必要です。