2019年8月2日金曜日

12G-B3/B7 シングルアンプ 製作開始

子ども時代、身近にあったのに使おうなんて全然考えなかった管。今ごろになってそれでアンプを作るという。

 考えてみれば、長年の電気系工作の締めくくりにふさわしいのかもしれません。急ぐ事はありませんから、あれこれ振り返りながら少しづつ作ります。なんとなく勢いであれこれ作って来た私室用小型アンプもこれで打ち止めですから、それぞれの製作の際の工夫も盛り込みます。

 私室用の小型アンプはすべて最初に作った12BH7A-PPで使ったのと同じシャシーに載せています。前面と背面の配置も同じに揃えています。このアンプもそれにならいます。
 12BH7A-PPを製作する際には、なるべく小型化する意図で部品が載るぎりぎりの大きさのシャシーを選びました。その後製作した物は、部品が小型であったり回路の一部に半導体を使ったりで、このシャシーで余裕がありました。今回製作する 12G-B3/B7アンプもドライバは半導体ですが、管自体が大きくトランスも大きいのでシャシー上は窮屈です。そして真空管の発熱も大きいので、その配慮も要ります。

 シャシーにグラフ用紙を貼って、部品とネジを書き込んで位置を調整しました。前面はあとで文字を印刷した透明ビニルを貼りますから、その原稿を紙に印刷して貼り付けました。 

部品を載せて干渉が無いか位置を再確認します

 重量バランスの点では良くないですが、6Z-P1シングルの経験から管の見栄えを考えて『真空管を前に並べて後ろに出力トランスを置く』配置を考えました。並べてみると、横幅にぎりぎり収まりました。
 この真空管は発熱が大きいですから、管壁が熱くなりすぎないように通気を確保します。そのために、サブパネルを使用して真空管を1段下げて取り付けます。これは背の高い6BM8の見栄えを改善するために使った手法で、6AQ5シングルアンプでは熱対策として使用しました。6BM8はMT管なのでGT管用の30φの穴で済んだのですが、今度使う12G-B7はベースが太いですからだいぶ大きな穴が要ります。左側の真空管は出力トランスの中心より少し右にずれていますが、これはサブパネルがヘッドホンジャックと干渉しないようにするためです。
 電源のケミコンには基板付け用のコンデンサを使います。入手の点から太短い物になったので、廃品のブロックコンの中身を抜いて2個重ねて入れます。つまり昔風の2個入りコンデンサと同じ感じで、電源トランスの前に1個だけ立つ形になります。


穴開け加工したシャシー

 課題は真空管を沈めるための大きな丸穴をどうやって開けるか。このシャシーはアルミが薄いので、力のかかる加工だと歪む心配があります。結局、電動の糸ノコを使うことにしました。そのため、この部分は内側にも位置を書いた紙を貼りました。その流れで、電源トランスの角穴も電動の糸ノコで切りました。ブロックコンの穴は30φで済むのでここはシャシーパンチを使いました。あとは、普通にドリルとヤスリの作業。

 穴開けが済んだら水洗いして、ステンレスたわしでヘアライン状に仕上げ。これは加工時のキズを隠すだけでなく、使用中のキズや汚れが目立ちにくくなる効果もあります。


 次はサブバネルの加工。それから電源まわり?それともドライバ回路の基板か?