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このアンプは出力段は真空管をごく普通の回路で使っています。ドライバ部の回路は真空管ではなくFETを使っていますが何のひねりもない普通のミュラード型です。製作の工程は真空管アンプの部分とトランジスタアンプの部分に分けられます。
シャシー内の配線 |
外観は真空管アンプそのものですから、シャシーに取り付ける部品の周辺は昔ながらの真空管アンプの手法で製作します。電源スイッチもサイズが小さいだけで昔のスナップスイッチと同じです。
電源部は平ラグに盛り付けます。コンパクトにまとめられ、部品交換も簡単です。発熱の多い抵抗を電解コンデンサから離す意味もあります。回路の接地点はこの平ラグの下です。
出力管まわりは立ラグを使った昔風の配線です。使用した立ラグはすべて買い置きの活用です。
真空管ソケットのセンターを結ぶようにアース母線を引いています。カソード抵抗とバイパスのケミコンは真空管ソケットに直接ハンダ付けせずに立ラグで中継しています。真空管の熱が伝わるのを軽減しようという考えです。SGには安全のため直列抵抗を入れました。これも立ラグで中継しています。物理的ストレスで破損することを避けるため、抵抗の足は少し曲げてゆとりを持たせてあります。
出力トランスはバンド型で、下は広くあいています。ここにドライバ部の基板を取り付けますが、トランズのリード線がここを通るので電界の影響を避けるためにシールド板を設けます。
ドライバ部の基板 |
ドライバ部はすべてICピッチの穴開き基板に載せます。今回はちょっと贅沢してスルーホール基板を新規購入しました。スルーホール基板はランドがはがれる心配が無く丈夫です。部品の足を穴にまっすぐ入れて裏からハンダ付けして、先は少し残してすべて切っていまい、細いメッキ線でこの部品の足の先を繋ぐように配線しています。ICを使った回路で良く使う方法で、回路の変更や部品の交換が容易です。
穴あき基板の配線では、部品の足を折り曲げて回路を作る方法がありますが、この方法では後から部品交換するのが困難になります。
抵抗は基板から少し浮かせて取り付けてあります。基板と接触してショートする事を防ぐ意味と基板が反った時に破損するのを避けるためです。
中央の列は電源部です。ここを挟んで左右の回路が対称に載っています。使用したフィルムコンデンサは手持ちの活用です。積層フィルムコンデンサには熱収縮チューブをかけました。FETは直接ハンダ付けせずにソケットを使用しました。