2015年2月1日日曜日

6AQ5 : 発熱を抑えて使う

元々多趣味なもので、いろいろゴソゴソしてます。その合間を見てまたゲームの続き。

 B案とC案は、出力段については真空管のプレート損失をどのぐらいに抑えるかの違い。まず、厳しい方のB案から、どのぐらい絞れば良いか検討します。
 現用の12BH7A-PPアンプは、プレートの損失とヒーターを合わせて約28W。対して6AQ5のヒーター4本分で11.3W。差し引き16Wあまり。1本あたりとして約4W。カタログ上の定格の1/3です。
 まず、A級で検討。普通に使うと、プレートとG2を150Vにして27mAぐらいといったところでしょうか。G2を下げて電流を絞る使い方なら、200Vで20mA、250Vで16mAといったところ。たたじ、一応そのまま計算してみると、出力はプッシュプルで2Wあまりというぐらい。かなりAB級に近い使い方をするなら、 出力3Wぐらいになりそうです。これだけ厳しい条件でもそこそこ出力が取れるのは見事ですが、6AQ5本来の意図とはかなり違っていそうな感じ。そして、このへんになるとSPICEもカタログ上の特性図もどこまで実態を示しているかかなり怪しくなります。

立派な紙箱に入っていますが、実は単なるゲルマニュームダイオード。

 C案の場合はプレート損失の制約が緩くなりますから、電流をそれほど厳しく絞らなくても済みます。G2を180Vぐらいまで下げればそのままA級で使えます。AB級にすればプレート電圧をもう少し上げられます。G2の電圧を少し下げて電流を絞っても良さそうです。出力は4W~5Wぐらいになります。感度も高くて能率も高くて、歪みもさほど多くない。このあたりが6AQ5にふさわしい動作のような気がします。G2電圧を下げて電流を絞るなら、プレート電圧を規格いっぱいまで上げるという設計もアリかもしれません(ピーク耐圧がちょっと怖いけど)。
 
 手もとの多極管アンプでは、6CA7のアンプがプッシュブルですが、これは大物で発熱も多いです。C案はこれほどでは無いけれど、常用するには大げさです。稼働率の事を考えると、私室で常時稼使用しているミニアンプにすべきなのかもしれません。そうなるとB案かしら。考えると微妙に悩ましいです。