2014年3月9日日曜日

6BM8 Single : 出力段の検討

実際の物作りはまとまった時間が必要。でも、準備は合間に少しづつ進めておくのが良いです。

 大物の6CA7-PPアンプが意外とすんなり出来たのも、振り返って見れば、構想を長い間暖めてきたのが大きかったように思えます。まあ、ちょっと以上に長すぎましたが。

 今回の一件のからみでやり残したような感じなのがもうひとつ。なんとなく集まった中古の6BM8を活用すること。本数はあってもあまり状態の良くない中古ばかり。プッシュプルにするのは無理。大出力も要らないので、やはりシングルでしょう・・・・・という事で、いろいろ考えてみました。
 回路は教科書的なシンプルな2段増幅を考えます。3極部はμ=70ですから、5結にしてもNFをかけると微妙にゲインが足りません。 無理にゲインを稼ごうとせずに、前置アンプで補うことにします。そうすると(感度が低くても良いので)ULやK-NFにする余裕が出て来ます。6BM8は子ども時代に使った管です。最初はラジオを作り、ひととおり遊んだあとはアンプに作り替えて、NFをかけたり3結にしたりしました。しかし出力トランスが怪しいジャンク物で、ULはできませんでした。今度作るならULをやってみたいです。

 そこで、6BM8に合いそうでULタップが出ているトランスを探しました。あまり高価で無いのが好ましいです。選んだのは、ノグチトランスの PFM-5WSという物。カバー無しのバンド止めの廉価タイプ。リード線が下出しなので、感電の心配は無いですが、漏洩磁束の影響はどうでしょうか。

 6BM8の原型のPCL82は元々は欧州のトランスレステレビ用です。250V以上かけている作例が多いですが、本来はあまり高い電圧で使う物では無さそうです。特性図を眺めていると、200Vぐらいが良さそうです。そうなると電源トランスが問題。必要な電流を取れそうなトランスで電圧の低い物は既製品には見あたりませんでした。無ければ作る??
 6CA7-PPアンプの電源トランスを特注した春日無線に頼むとして、試しに容量を計算してみると、既製品の2割増しぐらいの価格になりました。高圧巻線はブリッジ整流にし、後での使い回しも考慮して普通程度の電圧の端子も設けました。オペアンプの電源用に使うため、ヒーター巻線のひとつは12.6V(CT付き)にしました。

 これで大物はだいたい揃いました。 実際の作業は梅雨の頃かしら。それまで、まだしばらく考える時間はあります。