[製作した6SN7-PPアンプの詳細]
繋ぎ替えると 、ついつい違いが気になって普段以上にじっくり聴いてしまいます。それぞれが理想的な物になっているなら、繋ぎ替えても違いは無いはずです。しかし違いが感じられなければ、それぞれが存在する意味が疑わしくなります。使っていて劣って感じることがあれば問題ですが、そうでなければそれぞれ他に優る点がひとつでもあれば嬉しいです。
「居間のヌシ」の6BX7-PPアンプや「本命」の6CA7-PPと違って、私室の小型アンプたちはアソビ的な物です。実験であり、興味関心であり、余り物の整理であり、倹約と妥協でもあります。いろんな意味でチープで不十分です。だから、あらためて見直せば改善の余地はあります。
あらためて聴き比べると気づく違い。その中には、製作時には「この程度なら支障ない」と判断した所もあります。気になればやはり気になるもの。時間のある時にひとつづつ修正。やって効果があれば他にも適用して、また聴き比べ。
6SN7-PPアンプ 電源部をつくりなおしました |
聴こえる音にはあらわれないけど、長く安心して使おうとすると耐久性も気になります。発熱の多い部品と熱に弱い部品が近接していたり。悩ましいのが『ラグ板』。昔からフェノール樹脂の板(いわゆるベークライト)が使われていますが、これは長時間熱が加わると変質し、絶縁低下します。昔はこれしか無かったのですが、往年のテレビにはこれよりも優れた素材が使われるようになっていました。しかしすっかり隙間世界となってしまった「真空管アンプ」に使われるラグ板はいつまでも昔のまま。
配線整理の関係で12BH7-PPアンプは電源部をつくりなおしました。この時、使える平ラグ板の手持ちが無いので、ガラスエポキシ板とハトメラグを使って代用品を作りました。代用品ですが、耐熱性はこちらの方が良いです。そこであらためて他のアンプも点検して、発熱の多い電源部を見直しました。
アルミ板でブロック化したタイトラグ |
6BM8シングルアンプでは、回路部分がタイトラグに載っているのでこれに合わせる意味もあって、、ひと工夫して余剰品のタイトラグを活用しました。手間はかかりましたが、予想以上に具合良く仕上がりました。そこで、この方法をそのまま適用して、6SN7-PPアンプの電源部も作り直しました。このアンプは発熱的に厳しい訳ではないのですが、電源部が複雑です。このあたりの見かけの改善ももくろんだ訳です。
タイトラグは2本ならべてアルミ板に付けて、これを元の平ラグの位置に付ける。アルミ板は、留めネジの頭を避けるために凸状に曲げて、ケミコンやトランスの取り付けネジに干渉する部分は切り欠いて、微妙な形です。