暑さに向かう頃から、数が増えた小型アンプをあれこれ繋ぎ替えて鳴らしています。あらためて鳴らし比べると、それぞれ一長一短あります。不満足を感じれば、あらためて見直して手を加える。ひとつ底上げされると、今度は別のが見劣りして感じられるようになります。以下くりかえし。
6AQ5シングルアンプに続いて先週作業したのは6BM8シングルアンプ。このアンプは製作時におもいついて、結線の変更で簡単にUL接続とK-NFをかけたりはずしたりできるように作りました。4種類を聴き比べ、最終的には最初の計画どおりのUL接続のみの状態で使うことにしました。この状態でしばらく使ったのですが、今後は他の結線で使うことは無さそうと判断しました。そこで、思い切って余分な配線の引き回しを撤去することにしました。
回路自体は変わっていないのですが、微妙に音質が向上したような気がします。電流の流れがすっきり整理されたのが効いたのでしょうか。
ガラエポ板とハトメラグで平ラグ相当の物を作りました |
そこで他のアンプも見直し。 数が増えたプシュプルアンプの中で、現状でいちばん音の粒立ちが欠けているように感じるのが12BH7A-PPアンプ。ずっと昔に製作した物で、製作直後に回路を大幅変更し、その後も何度か少しづつ手を入れて性能向上して来ました。この過程で部品を追加したりして、内部はかなり混沌となっていました。ここをきちんと整理するのが良さそうです。ついでに、初期に急遽追加した電源トランスと初段の回路との間のシールド板もきれいに作り直しましょう。
まず、後から追加した関係で散らばっていた電源まわりの部品を集約することにしました。それには平ラグ板が要りますが、ちょうど良い端子数の物が手持ちにありません。そこで、ふとした思いつきを実験。
普通のラグ板はいわゆるベークライト製。プリント基板では最安価なタイプで、耐久性に難ありの材質です。これより優れているのがガラスエポキシ。手もとにはプリント基板の端切れがあります。これを元にしてハトメラグを付ければちょっと丈夫な代用品ができるはずです。まず裏面の銅箔をはがして、端子位置にアナをあけて、ハトメを留める。ハトメをきれいに付けるのに苦労しましたが、それらしい物ができました。
回路は変わっていません。部品もそのままです。変な所を回っていた配線を整理して、隙間に無理して付いてた部品を移動した程度。その程度ですが、不思議なことに、僅かですが小さな音の粒立ちが向上した感じがします。この程度のことで違いが出るというのは、それはそれで悩ましいことです。
一方、ガラエポ板で平ラグの代用品が作れることが判りました。手間はかりますが、安価に作れて信頼性が向上。発熱の多い部品が付いているような所はこれと交換するのもアリかもしれません。