2014年1月31日金曜日

6SN7 PP : 部品集め

目的の6CA7アンプは、当初の予想よりずっと早くスムーズに完成しました。この勢いでもう少し進むことにしました。

[製作した6SN7-PPアンプの詳細]

 長年の懸案だったアンプを作る。子ども時代からいろいろ電気モノと触れあって来た想いの集大成でもあります。あらためて昔の雑誌の記事とかも読みなおしました。昔に収集した資料とかメモとかも出てきました。そして、買い置きや取り置きしてあった昔の部品とか。

 押し入れの奥にしまいこんであった箱の中に、古い真空管がけっこうたくさん溜まっていました。現在稼働可能なアンプの予備の分以外は、このままではおそらく使う事は無さそう。その中で、比較的簡単にアンプとか作って遊べそうな物がいくつかありました。その中で、ちょっと面白そうなのが6SN7。今回の6CA7アンプのドライバ段に使った6FQ7の原型となったGT管です。
 6SN7は6BX7-PPアンプに差し込んで鳴らしてみたことがあります。不適切な動作点であったにもかかわらずたいへん良い音でした。あらためて特性図から負荷を求めると、どうやら18KΩぐらいが良さそう。これで出力が1.2Wぐらい。練習と実験がてら作った6Z-P1シングルアンプと同じぐらいの出力です。ネットで見つけたページに定格3Wで16KΩのトランスがありました。小ネタが一気に現実的になって来ました。

名門の生まれ / NECと東芝の真空管と半導体


 メーカーのサイトには 5KΩと8KΩは価格が載っていて、16KΩは問い合わせとなっていました。問い合わせると、 どうやらある程度注文がまとまるごとに生産している感じでした。案外価格が安かったので注文しました。届くまで回路を考えたり部品の用意をしたりして待ちました。

 電源トランスは買い置きのジャンク物を使います。シャシーは私室のアンプたちと揃えて、薄いアルミの箱にします。ヒータ電力と管の大きさを考えると、ドライバ段は半導体の方が良さそうです。先日検討した「FET-Trカスコードで差動1段」回路で作ることにしました。手持ちの2SK30ではgmが足りませんから、ネット通販で見つけた2SK362を購入しました。案外安いので上に積むトランジスタも一緒に購入しました。2SC2688はNEC製で、これもテレビのクロマアンプ用。トランジスタを通販で買うのはほぼ40年ぶり。ただし、昔は最新品種を、今は廃品種を。
 調達に困ったのが電源のブロックコンデンサ。無いことは無いけれど大げさで高価です。基板付け用のコンデンサで耐圧と容量の合う物が比較的安価にありました。シャシー内に入れ込んでしまえばこれでも良いのですが、やはりシャシー上にすっくと立つブロックコンの姿は外観の点で重要。探すうちに、この細い外径に合うバンドが見つかりました。結局これも通販。単価は安いけれど送料込みだと微妙でした。

※ イチカワは真空管用トランスの製造販売を2022年1月で終了しました。

 

2014年1月27日月曜日

6BM8で遊ぶ計画

片付けをすると、そのうち使いそうと取り込んであった物がいろいろ出て来ます。

 昔に取り込んであった真空管がいろいろ出て来ました。何かに使えそうとか、ちょっと面白そうとか、単に出会った縁とか。

 特性的に面白そうな管でも本数が半端だと使いにくいです。手間をかけてしっかりした物を作っても消耗が怖いと実用にできません。ステレオにして片方が切れてしまったりしたら・・・・ しかしある程度まとまった本数が出てきた真空管もあります。

 6BM8は私が最初に使った管。最初はラジオを作ってアンプに改造して。

 6BM8は元々は欧州のテレビ用の管で、μ70の3極部と5 極出力部の複合管。ラジオに使えば1本で音声回路を構成できます。電蓄ぐらいなら2本でステレオに。出力部は、昔のラジオ少年の標準の6AR5と比べて低い電圧で高い出力が得られます。内部抵抗も低くて感度も高いです。3極部はオーディオ用としては中途半端です。電流は取れますが、少し感度を高くしようとしたり多目にNFをかけようとするとゲインが微妙に足りません。

 まず、プッシュプルにする場合を考えてみました。いちばん簡単に済ますならアルテック型でしょう。ステレオで4球。しかし3極部のμは70。1段ではどうやっても単体のアンプとしてはゲイン不足。前に1段置くならばミュラード型という手があります。初段に双3極管を片方づつ使ってステレオで5球になります。半導体とのコラボなら・・・と考えながらSPICEで遊んでいるうちに、2段差動回路ができました。

図中の数値は適当です

 2段目でけっこうゲインを取れますから、初段で振幅を稼ぐ必要がありません。FETに高い電圧をかける必要がなくなります。この程度なら出力管のバイアス回路用巻線から作れるでしょう。2段目は(差動入力なので)自己バイアスで済ませました。管にかかる電圧が低くなりますが、振幅が足りなくなるほどではありません。差動入力なのでそれほど深く下に引かなくてもバランスします。部品点数も少なくて簡単に作れそうな回路です。

 しかし6BM8をプッシュプルで使うと7~9Wの出力が出ます。普段使うには大きすぎです。やはりシングルで使って3Wぐらいが手頃でしょう。その場合3極部をどう使うか。このゲームはけっこう難しいです。

2014年1月24日金曜日

12BH7A PP : 回路を見直しました

わが家でアンプよりも変化があったのがスピーカー。スヒーカーとアンプって悩ましい関係です。

 昨日は大阪市内に出る用事があったついでに日本橋へ足を伸ばしました。抵抗数個とコンデンサ数個の買い物。交通費を加算するとけっこう高価になりますが、やはり目で見て買う方が安心です。特にコンデンサは種類が多く寸法形状も注意が要ります。

 相性というよりも資質の違いでしょう。何が相手でも無難にあしらうやつと、良いも悪いも個性を際立たせるやつと。昔はメーカー製の中型3way密閉型スピーカーを使っていました。一時期はやや小型の2way密閉型と小型の1wayバスレフを併用していて、以後は居間のスピーカーは中型3wayバスレフ、私室は小型の2wayバスレフという体制が長く続きました。どちらもAV機器である程度実績のあるメーカーの製品で、何が相手でもそれなりに無難に鳴るスピーカーです。
 居間のスピーカーに変化はありませんが、私室には箱を自作したスピーカーが加わりました。ちょっと工夫した箱で、10cmのユニット1個をやや大容量のダンプトバスレフ箱に付けた物。周波数特性はあまり平坦ではなく、インピーダンスの暴れも大きいと考えられます。音楽を選びますし、試聴位置によっても音像が変化します。いろいろ癖が悪いです。音はくっきり鮮やかですが、時には音楽ソースのあら探しのようになってしまいます。それでも慣れてしまうと、その緊張感がちょっと心地よく感じてしまったり。

 どうやら、このスピーカー。アンプにとってもずいぶん厳しいようです。アンプを繋ぎ替えると音がずいぶん違って聞こえる曲があります。トランジスタアンプが大出力化した時期の小容量バスレフ箱用の重いユニットを変則的な箱に入れた。おそらくインピーダンスの暴れに加えて逆起電力とかいろいろあるのでしょう。これが小型のモニタスピーカーでは目立たなかった欠陥を露わにしたのでしょう。そして新しい6CA7アンプから常用の12BH7Aに戻した時にこれに気づいた。
 先日の聴き比べで露見した12BH7A常用アンプの問題点。回路定数をSPICEに入れてみると、けっこう難ありの動作でした。ある程度きちんと計算した値が元でも、電圧や利得とか調整するためにあちこち増やしたり減らしたりしているうちに良くない方向にずれ込んでいたようです。昔のアマチュアの製作ではありがちな事でしたが、組んでみてそれらしく音が出たのでそれ以上は追求しませんでした。
 SPICEでのシミュレーションでは、カットアンドトライも速いです。電圧や電流を見て抵抗値をE24で加減して様子を見る。お茶を飲みながら何回か繰り返しても時間はしれています。どうやら抵抗数本とコンデンサ数個の変更でかなり改善しそうでした。そこで、今度はSPICEの検証。お告げのとおり部品を替えて音が変わるか。

 一時期のBGM用として作った物で、当初はこんなに長く活躍するとは思っていませんでした。平ラグ板の配線ですが、部品交換とか全然考えていませんでした。部品は縦横にぎっちり付いていて、その両側から配線が出てます。狭い所で邪魔な線を外したりしながら部品交換。けっこう時間がかかりました。
 で、鳴らして見ると、気になった「もっさり感」は無くなっていました。 SPICEってけっこう良く効くようです。

2014年1月20日月曜日

6CA7 PP : ドライバ段の回路

昔よく聴いた曲とかかけながら使った資料など片付けています。

 製作した6CA7アンプのドライバの2段差動はかなり初期から考えていたものです。出力トランスを譲り受けた頃の回路案の走り書きが出てきました。一応は計算したらしく、抵抗値が入っています。選球は常識的?に12AX7と12AU7です。深いマイナスを使うのではなく、1段目は-40Vと中途半端な電圧から引いていますが、バイアス回路用のマイナスを流用しようと考えたようです。直結は避けて2段目は自己バイアスにしています。
 2段目に300Vがかかっていましたから、出力段は350V程度加えて約40Wぐらいの出力という普通の動作を考えていたようです。この時のドライブは片側30Vぐらい(60VP-P)になるはずです。(この動作ではSW30-6は使えません。)
初期に考えていた差動2段ドライブ回路 2段目が自己バイアス

 トランジスタアンプでは当時でも差動回路はほとんど常識でした。しかし真空管アンプの回路としては特殊な部類で、初段に双3極管を使っても2ユニットをパラというのが一般的でした。2段差動は位相反転回路としては理想的で、全体では部品点数も多くないのに、あまりにももったいない。深いマイナス電源が要るから? それなら自己バイアスという手もあります。(2段目は差動入力なので自己バイアスでも影響は少ない)

 遊びついでにSPICEに入れてみました。組んだまま電源を入れる感じで、そのまま実行。あっさり動いてしまいました。ゲインは約250倍。振幅もじゅうぶん取れています。抵抗値を見ると、ゲインが高くなりすぎるのを抑えようとしたようです。意外としっかり考えていたようです。もっとも、この回路は裸では歪みが多い感じです。動作点もゲイン配分も詰めがあまいですが、初段をあまりマイナスに引けていないので、初段の平衡度が低くて歪みの打ち消しが効いてません。

 (注:ムラード型の原型は段間が直結でなかったらしいです。)

2014年1月19日日曜日

6CA7 PP : 慣熟運転中

しばらく鳴らして、真空管も部品もすっかり馴染んだようですが・・・

 最初は高音も低音もバラバラの印象でしたが、しばらく鳴らしているうちになんとなく落ち着いた感じになってきました。本当は定格ぐらいの音量で鳴らしてみたいのですが、狭い家では当然無理。dしかし、毎日この新しいアンプの音を聴いているのだから、こっちの耳の方が馴染んだという事もあり得ます。あらためて私室で常用している12BH7Aプッシュのアンプに繋ぎ替えました。
 やはりかなり音楽の印象が違って聞こえます。長く聴き慣れたアンプは(当時の製作意図でもあったのですが)ごく普通でぼんやり聴いてちょうど良いぐらいのの音。まったり癒し系とも言えるれど、新しいアンプの気合いの入ったの音と比べるとずいぶん「もっさり」して聞こえます。
 思いついて、先日作った6Z-P1のアンプも引っ張り出しました。意外なことに、小さな音ではいちばん貧弱な6Z-P1のアンプと大型の6CA7アンプの音が良く似ています。どちらも5極管ですが、それ以外は全然似てもにつかないアンプ。あと共通点があるとすれば、回路の設計の詰めにSPICEを使った事ぐらい。そこで、物は試しと、12BH7Aアンプのドライバ段までの回路をSPICEに入れてみることにしました。幸い6BL8のパラメータもありました。グラフを描かせて見ると、あまり良くない動作になっていました。このアンプを作ったのはもう20年以上前。その時には、前に6BX7アンプを作った時の計算書きを基に適当に値を加減した(テヌキした!)ように記憶しています。当時はまだマイコンがパソコンになったばかりの頃で、シミュレータはアマチュアが使えるようなものではありませんでした。そして、その6BX7アンプを作った70年代半ばは電卓の時代。
 アンプの設計と言っても昔はけっこういいかげんでした。アマチュアの製作では、メーカ公表の動作例そのままとか、略算式で計算したままというのが普通でした。理屈は抜きでここは○倍とか×Ωぐらいという慣習も多く、雑誌の製作記事でもそういった手法が解説されていました。入出力の容量やインピーダンスとかは都合良く忘れて、時定数はとんぶり勘定。さすがにトランジスタの時代になるとこの手は通じなくなりました。オペアンプなんて癖の悪い物も出て来て、丁寧に計算して確認しなければいけなくなりました。一時の徒花に終わりましたが、4chステレオなんてのもありました。先の6BX7アンプ製作の際には、当時の手法で真空管回路を見直そうとしました。今ならパソのSPICEで数秒もかかりませんが、計算尺(まだ関数電卓は持っていなかった)と集計用紙を使って夜な夜な計算を繰り返しました。

 という事で、居間のアンプも持って来ました。繋ぎ替えて、同様にちょっと大き目の音で鳴らし比べ。やはり設計した時代からでしょうか、帯域の取り方が狭い感じで、低音や高音の響きが少し物足りないですが、気になっいた「もっさり」感はありません。中域は新しい6CA7アンプと良く似ていますが、ボーカルの生々しさでは若干こっちが上。何事も細部まで気配りして丁寧にやらなきゃダメという事のようです。
 SPICEに入れた回路の定数をあちこち加減して、それなりにバランスの良さそうな値が求められました。計算も速いし、画面で波形を見ながら電圧配分とか考えられるのはたいへん楽です。回路はそのままで、抵抗やコンデンサをいくつか交換すればかなり改善しそうです。はたしてSPICEの効き目がどのぐらいなのか、やってみなきゃいけなくなりました。


2014年1月18日土曜日

余剰部品の始末

目的の6CA7アンプ製作は一段落しましたが、勢いが残っているうちにもう少し遊びます。

 このあと、修理などを除くと、おそらく電子系の工作をすることはほとんど無くなるでしょう。今までに溜まった半端物の部品がいろいろ出て来ましたが、おそらくほとんど使い道が無くなりそう。そして、なんとなく使うつもりで買い置きした真空管も。

あらためて部品箱とか残り物入れとかひっぱり出して整理。6CA7アンプ計画では基本的に受動部品は新規調達するつもりでしたから、このあたりはほとんど手を付けていませんでした。思い出してみると、今までにいろんな物に手を出したこと。それらの残渣がたくさん。古いトランジスタ、古いリニアIC、古いオペアンプ、古いTTL、古いマイコン周辺LSI。振り返ってみると、デジタル時代以降は特に変化が早かった気がします。能動素子は当然だけど、それらとのからみで存在意義があった部品群。トランジスタソケットやICソケットって、今では真空管ソケットよりも存在意義が薄い感じ。DINコネクタとかアンフェノールとかD-SUBコネクタとか、今後復活して何かに使われる可能性はほとんど皆無でしょう。今までにかなり廃棄して来たけれど、探すとまだあちこち隙間から沸いて出て来ます。

いわゆる「無駄な抵抗」というやつ

 抵抗器は、作る物によっては同時に同じ値を何本か使います。ステレオならたいていは2本単位。厳密な値が欲しい事もありますが、数倍違っても大差無い箇所も。その時々で適当そうな値を使ってます。SPICEで遊んでいる時もたいていはおおまかななカンでE24から選んで入れ替えてます。途中の計画変更もありますが、使いそうな値だと余分目に買っていたりもしました。あらためて集めてみると、けっこうな本数です。ただし、あらためて見るといずれもトランジスタやICで遊んでいた頃の物で、値の範囲がかなり偏ってます。残念ながら真空管モノには使えそうにないのが多いです。

 冬の部屋では暖かく感じますが、やはり大きなアンプは夏向きではありません。部屋で常用するにはちびっこいアンプでじゅうぶん。手持ちの出力管は6AQ5と6BM8がありますが、どちらもプッシュプルで使うとけっこう立派なアンプになってしまいます。電圧増幅管ですが、6SN7ならうまく使えば1Wあまりの出力になり、6Z-P1のシングルアンプと同格になります。残り物の半端部品がいくらかでも活用されるかしら。幸い都合の良さそうな出力トランスが現行品にあります。これは追い風? 買い足す部品がけっこうありそうですが、今度はきちんと拾い出して、余分な買い物はなるべく控えなきゃ。

2014年1月17日金曜日

6CA7 PP : 試運転とネジの交換


組み上がったアンプは安定して動作しているようです。しばらく部屋で鳴らしています。

 ちょっと大き目の音で聴き慣れた音楽を次々とかけながら、その合間に動作チェックしたりしながら webページ用の写真を撮ったりしています。
 シャシーに付いてきた部品のうちのいくつかは再利用しています。入力のピンジャックも元の物を使いました。清掃してチェックして支障無いと判断したのですが、やはり接触不良が起きるようです。若干加工するだけで嵌る物があったので、これに交換しました。その際にシールド板を供締め固定していた出力トランスの止めネジを緩めました。すると、ちょっと回すだけでポロっと外れました。ネジが短すぎで、やはりこれはマズい。

 で、いろいろ用事をしがてら日本橋へ。日本橋には老舗のネジ屋さんがあります。今回のお目当てはここ『ナニワネジ』。たいへんたくさんの種類のネジを小袋で売ってます。太さや長さの違うネジが材質ごとに区分して陳列されています。ナットや座金とかも形や材質がいろいろ揃っています。小ネジの類はひと袋50本とか100本ですが、単価で見ればかなり割安。ホームセンターで20本買うならナニワネジで100本買うという具合で、昔からこちらのお世話になってます。まあ、その結果使い残しのネジが膨大な量溜まっているのですが。(今回の使用した小ネジはすべてこういった買い置きです) 

真空管の灯り / 6CA7の中が高温なので青白く見えてます

 ネジって悩ましいです。規格品で太さが合えば締め合わせできます。一般的な径と長さならホームセンターとかでも売ってますが、材質や頭の形とかちょっと条件が付くと揃わなかったりしますし、もうひといき長い物とかもありません。御近所で少量か買えるのは便利ですが、大物の製作などで小ネジがたくさん要る場合は案外高く付きます。ネジ会社へ行くといろいろあって単価は安いのですが、キロ単位で量り売りとか。最近は少量か購入できる通販もありますが、一度に何種類も頼むのでなければ送金料と送料が代金の数倍にもなってしまいます。この点、小袋販売してくれるネジ専門店というのはたいへん有り難いです。

 使用したMQ-60のシャシーは鉄板の上にアルミ板が重ねてあって、普通のシャシーより厚さがあります。電源トランスの取り付けの際には、上下にワッシャを入れるとネジが届きませんでした。しかたなく、少し長いネジに交換しました。ごく一般的な4mmのネジなのですが、5cmを越えると置いている店は限られます。やはり御近所のホームセンターを回っても無くて、結局ネジ屋さんへ行くことになりました。
 ネジは規格品ですが、過去に規格が変更されています。このため古い製品を修理したり古い部品を利用したりしようとすると古い規格のネジが必要になる事があります。今回使用した部品のうち、出力トランスはこの切り替わりの時期の直前頃の製品で旧JISネジが使われています。取り付けネジの径は4mmですが、現行のISOネジとはピッチが違います。元々のトランスに付いてきたネジがあったので、これを使って取り付けたのですが、長さが微妙に足りていませんでした。前述のシールド板を供締めしているネジはその分余計に長さ不足が影響したようです。
 旧ネジなんて、絶対にホームセンターなんかには置いていません。最悪はネット通販も考えて、とりあえず日本橋のネジ屋へ。さすがに専門店です。材質はユニクロしかありませんでしたが、いろいろな長さの旧ネジがありました。使用量が少ないのに合わせたのでしょう。1袋10本入りですから、所要本数の8本にちょうど良かったです。(単価で見ると現行ネジよりかなりお高いですが。)