2014年1月27日月曜日

6BM8で遊ぶ計画

片付けをすると、そのうち使いそうと取り込んであった物がいろいろ出て来ます。

 昔に取り込んであった真空管がいろいろ出て来ました。何かに使えそうとか、ちょっと面白そうとか、単に出会った縁とか。

 特性的に面白そうな管でも本数が半端だと使いにくいです。手間をかけてしっかりした物を作っても消耗が怖いと実用にできません。ステレオにして片方が切れてしまったりしたら・・・・ しかしある程度まとまった本数が出てきた真空管もあります。

 6BM8は私が最初に使った管。最初はラジオを作ってアンプに改造して。

 6BM8は元々は欧州のテレビ用の管で、μ70の3極部と5 極出力部の複合管。ラジオに使えば1本で音声回路を構成できます。電蓄ぐらいなら2本でステレオに。出力部は、昔のラジオ少年の標準の6AR5と比べて低い電圧で高い出力が得られます。内部抵抗も低くて感度も高いです。3極部はオーディオ用としては中途半端です。電流は取れますが、少し感度を高くしようとしたり多目にNFをかけようとするとゲインが微妙に足りません。

 まず、プッシュプルにする場合を考えてみました。いちばん簡単に済ますならアルテック型でしょう。ステレオで4球。しかし3極部のμは70。1段ではどうやっても単体のアンプとしてはゲイン不足。前に1段置くならばミュラード型という手があります。初段に双3極管を片方づつ使ってステレオで5球になります。半導体とのコラボなら・・・と考えながらSPICEで遊んでいるうちに、2段差動回路ができました。

図中の数値は適当です

 2段目でけっこうゲインを取れますから、初段で振幅を稼ぐ必要がありません。FETに高い電圧をかける必要がなくなります。この程度なら出力管のバイアス回路用巻線から作れるでしょう。2段目は(差動入力なので)自己バイアスで済ませました。管にかかる電圧が低くなりますが、振幅が足りなくなるほどではありません。差動入力なのでそれほど深く下に引かなくてもバランスします。部品点数も少なくて簡単に作れそうな回路です。

 しかし6BM8をプッシュプルで使うと7~9Wの出力が出ます。普段使うには大きすぎです。やはりシングルで使って3Wぐらいが手頃でしょう。その場合3極部をどう使うか。このゲームはけっこう難しいです。