2014年2月4日火曜日

3極管シングルアンプ

こだわりも大切だけど柔軟さも大切。思いつきを小ネタにするにはパソは便利です。

 6SN7-GTのアンプは製作途中だけど、カラクタ整理は継続中。このアンプが完成すると、3極管のプッシュプルアンプが3台になります。出力はそれぞれ2倍づつの関係ですが、どれも実用的でちゃんと聴けるアンプ(になる予定)。そうなると手薄?なのが3極管のシングルアンプ。小ネタではなくちゃんとした物を作れるかしら。

 1W程度以上のステレオアンプが目標。条件として、実用的な感度と音質。管や部品に無理をかけないこと。安定重視。手持ちで候補となる管は、12BH7Aのパラレル、6BX7を片方づつ。意表を突いて6BM8か6AQ5の3結か。
 手持ちの6BX7の中には、新品で購入した物のほか中古を買い込んだ物もあります。中古の中にはへたり具合で2ユニットの特性に違いが目立つ物があります。これらはプッシュプルのステレオアンプでは使いにくいです。片ユニットづつシングルアンプにすればこれらも活躍できるのではないかしら。という事で、またパズルゲームの始まり。

 あらためて6BX7の特性図を眺めてみました。6SN7とは対照的です。電流はドバっと流れますが、電流の少ない所ではカーブしています。このへん、12BH7Aよりも癖が悪いです。しかしたっぷり電流を流そうとするとプレート損失を越えてしまいます。このあたりも6SN7とは対照的。電圧を下げて低く寝たロードラインを引くと、出力は減りますが、歪みが減って案外いい感じになりそうです。

 200Vで27mA。負荷が7KΩぐらいで、P-P24Vほどの入力で出力は0.7Wぐらいでしょうか。これは8ΩでP-P6.6Vぐらい。電圧利得は0.27ほどです。出力重視だと、250Vで負荷が5KΩ。入力約30Vで出力が約1.1W。8ΩでP-P8.3Vで利得はやはり0.27ぐらいでしょう。やはり感度が低いです。ほど良くNFをかけて仕上がりを16倍ほどにするにはドライバ段の裸利得が200倍ほど必要です。3極管の1段では無理。一方、6BX7は入力容量の大きな3極管。高インピーダンスでは苦しいです。
Dual Operational Amplifiers / 2回路入りオペアンプたち

 これはパズルです。とりあえず難しい条件をひとつ外してみます。メインアンプの感度が足りなければ前のアンプが頑張れば良いのです。真空管全盛の頃のメインアンプには感度が低い物もありました。それを補うためかプリアンプの最大出力も高く設計されていた気がします。居間で常用している真空管プリには、NF量を減らしてゲインを+6dBするスイッ チを付けてあります。1つの増幅回路ではなく、ゲインが低いパワーアンプとゲインのあるフラットアンプの2つに分けて考えます。

 パワーアンプはシンプルな真空管アンプ。これをフルスイングするには±3Vほどの入力が必要です。この程度なら汎用のオペアンプでも簡単です。この方式は案外うまく行くんじゃないかしら。