2013年10月23日水曜日

6CA7 PP : 回路の検討 2

昔のように頻繁に部品屋に行くことはできません。作り始めるまでになるべくきちんと計算して、できれば部品交換して調整ということは無しに済ませたいです。


略算式で計算して、どうやらドライブ電圧は良さそうです。
この値から、さらに2段目の動作を略算式で詰めて行きます。
あくまで略算ですから、あとで特性図で確認して調整する必要があります。
最後は、実際に作って見て調整ですが、これはなるべく少なくしたいです。


普通と逆で、電圧やプレート負荷から動作を探ってゆきますが、普通の抵抗結合増幅のデータとはずいぶん違う値が出て来ます。
アナログ計算機
プレート抵抗が33kΩとすると、増幅率は約6倍。まあ、こんな物かしら。
最大出力31Vを割ると約5Vの入力です。
√2倍して、グリッドの引き残りを足すと、7.8~8V がバイアス電圧で、この時の電流が2.7mAほど。
すると、33kΩで落ちる電圧が89Vぐらいで、P-K間が139V。最大振幅時の引きのこりが95V。
差動のバランスの点ではカソードは大きくマイナスに引きたいです。
マイナス側の電圧は最低でも95Vで、余裕を見て120Vぐらいでしょうか。
120Vとすると、(120-8)÷(2.7×2)=20.7kΩ
なんとなくもっともらしい数値が出ました。(ホント??)
電力も電流も規格に収まります。12AU7 でもだいじょうぶなぐらいです。

そのまま1段目もひととおり計算しておきます。

1段目と2段目は直結にはしません。全体ではDCは帰還されませんから、大げさな回路で補正しないかぎりDCは不安定になります。ミュラード型のように片側だけ前段から引っ張る回路も見ますが、これではどのみち低域に時定数ができますし、グリッド電流の問題やインピーダンス的に不均衡が出ます。潔く両方ともCを入れる方が安心な気がします。最近は容量が大きくて特性の良いコンデンサが安く使えます。電源電圧の利用という点でも、この方が楽です。(注:ミュラード型の原型は直結では無いらしいです。)

2段目のグリッドの抵抗を330kΩとして、1段目のプレート抵抗はその1/3の100KΩにして見ます。
使用予定の 12AT7 は μ=60です。
電圧を180Vとすると、増幅度は約15倍。なんとなく、このゲインは低すぎる感じ。
そのまま計算を続けると、バイアスは3.2Vぐらいでしょうか。電流は0.7mAぐらい。この値は変!
最大振ることは無いですが。P-Kの残りが40Vぐらいでちっょと足りない感じ。
カソードを-90Vから引くとして、カソード抵抗は62kΩ。

ここで全体のゲインを見ておきます。仕上がりゲインは手もとの他のアンプと同程度とするつもりです。仕上がりで約25倍。そうなると裸で100倍ぐらいは欲しいです。

出力段は、P-P=40Vの入力で 16Ωに30Wですから、P-Pで60Vぐらいの出力。意外とゲインがあります。さすがに5極管。
1.5×6×15÷2で、全体では67倍ぐらい。このままではNF量がほんのちょっぴりしかありません。
これは略算ですから、実際はもっと高いとは思いますが、もう少しゲインが必要です。
それよりも、どっか見落としや勘違いがありそうな気もします。

しばらくは頭の体操です。