2013年10月2日水曜日

6CA7 PP : 出力トランスに関して

箱にしまってあったトランスを出して見ました。

 まずは概要の確認。しばらくぶりに書棚から真空管規格表を出してみました。やはり記憶があいまいになっていました。6CA7の代表的動作例を見ると、普通の動作については負荷抵抗が3.5kΩとかかなり低いのです。あれれ? 現物はサンスイのSW-30-6です。インピーダンスが6kΩ。3結ならばちょうど良さそうですが、3結は悔しい。ラックスのA3500がOY-15-5載せているのは何? 特性図から6kΩの負荷で使う場合の動作を引くことができるだろうか。そうなると、トランスの定格が気になります。

SW-30-6 トランスの規格を確認する
どうやらこのSW-30は出力30W用という事らしいですが、調べても電流とかのデータはみつかりませんでした。しかしこの 30-6は元々は7591という管用らしいですから、この管の動作から推測して、それを越えない程度の使い方に留めれば安全でしょう。7591はGT管ですが、6L6や6CA7よりもひと回り小さくて6BQ5より大きいあたりをねらった玉のひとつのようですが、内部抵抗を下げて低電圧で出力を得ようとする玉が多いのに対して、高い電圧で使って電流は少な目。5極管らしいのですが、特性はビーム管に似て肩が綺麗です。(SW-30-6は150mA程度で使うのが安全か?)
 この動作を強引に6CA7に当てはめてみると、バイアスの深い所だけ使うかたちになって、出力は小さくなりそうです。高い負荷抵抗に見合うように電流を小さくするには、SGの電圧を下げる方法があります。特性図は250Vの場合しか見つかりませんでしたが、3結の特性から類推すると200Vぐらいまで下げると良さそうです。
 SG電圧をB電圧の半分にできれば(B電圧がSG電圧の2倍で良ければ)、整流回路を倍電圧整流にするという手があります。

 このように電流を抑えた動作にすると、トランスの負担が軽くなりますし、電源トランスも小さくて済みます。管の損失もかなり小さくなりますから、寿命の点でも好ましいです。本来のオーディオ管としての6CA7の特性とはかなり異なってしまいますが、高電圧動作をそのまま1/3に抑えたような風でもあります。なお、カソード電流がかなり小さくなりますから、ヒーター電圧も少し下げて良いような気がします。6CA7のヒーターは1.5Aですから4本で38Wもの発熱にもなります。

 少し行き先が見えて来た気がします。