まずは概要の確認。しばらくぶりに書棚から真空管規格表を出してみました。やはり記憶があいまいになっていました。6CA7の代表的動作例を見ると、普通の動作については負荷抵抗が3.5kΩとかかなり低いのです。あれれ? 現物はサンスイのSW-30-6です。インピーダンスが6kΩ。3結ならばちょうど良さそうですが、3結は悔しい。ラックスのA3500がOY-15-5載せているのは何? 特性図から6kΩの負荷で使う場合の動作を引くことができるだろうか。そうなると、トランスの定格が気になります。
SW-30-6 トランスの規格を確認する |
この動作を強引に6CA7に当てはめてみると、バイアスの深い所だけ使うかたちになります。高い負荷抵抗に見合うように電流を小さくするには、SGの電圧を下げる方法があります。特性図は250Vの場合しか見つかりませんでしたが、3結の特性から類推すると200Vぐらいまで下げると良さそうです。
SG電圧をB電圧の半分にできれば(B電圧がSG電圧の2倍で良ければ)、整流回路を倍電圧整流にするという手があります。
このように電流を抑えた動作にすると、トランスの負担が軽くなりますし、電源トランスも小さくて済みます。管の損失もかなり小さくなりますから、寿命の点でも好ましいです。本来のオーディオ管としての6CA7の特性とはかなり異なってしまいますが、高電圧動作をそのまま1/3に抑えたような風でもあります。なお、カソード電流がかなり小さくなりますから、ヒーター電圧も少し下げて良いような気がします。6CA7のヒーターは1.5Aですから4本で38Wもの発熱にもなります。
少し行き先が見えて来た気がします。