2013年10月1日火曜日

6CA7 PP : 計画の概要

長い間考えていたアンプを作る計画を、今頃になって始動します。

構想や計画の進み具合のメモがわりに、ブログに書いてゆくことにします。

現状とここに至る経緯のメモ
6CA7 松下製

1 真空管 6CA7 でアンプを作る
 これは小学生時代からの懸案。いつかはこの格好良くて力強そうな管でアンプを作るって。
 6BM8や6AR5と比べると、ふたまわり以上強力。当時の知人のお兄さんがこの6CA7のシングルアンプを作ったというので、僕はそのうちにプッシュプルで、と。
 中学校時代の学校放送のアンプの出力管は6CA7でした。毎日平然と学校中に大きな音を届けるって、すごくプロっぽく感じました。だから余計に6CA7が凄く感じられました。ここが重要なポイント。だから、作るアンプはEL34じゃなくて6CA7。
 その後、なりゆきで中古の6CA7を入手。回路の案をいくつか考えましたが、そのまま停滞。

2 出力トランスを譲られてしまった
 ある時当時の知り合いに「そのうちに6CA7でアンプを作りたい」という話をしたら、そのつもりで入手したトランスがあると言われ、なりゆきで譲られてしまいました。トランスは中古の山水のSW-30-6でした。K巻き線もSGタップも無い素のプッシュプル用。これを使うとなると、純5結か3結になります。6KΩというのがちょっとひっかかったのですが、ラックスのA3500がOY-15-5を使っているのでこの程度なら使えるんじゃないかと思いました。

3 アンプの規模を考えてみた
 6CA7は高圧動作すればぎりぎり100Wに届くかという玉。学生時代に作っていたなら、きっとぎりぎりの大パワーを目指していたでしょう。しかし、そんな大出力は使い道がありません。せっかく作るなら、時々は鳴らして楽しめる物が良いです。
 トランジスタやハイブリッドICを使って数十ワット級のアンプをいくつか作って、出力が大きいからと言って満足感が増す訳で無いことは実感済み。部屋での主用アンプ(当時)は6BX7のプッシュですが力不足を感じることは無いです。全体の発熱量や大きさ(重さ)も考えると、ほど良い規模の物の方が活用できるでしょう。 真空管やトランス類の寿命も考えると、ある程度余裕をみた動作の方が安心です。

4 で、一応は回路を考えてみた
 居間の主用アンプ私室の常用アンプも純3極管のプッシュです。トランジスタSEPPアンプもあり、小ネタ用の真空管シングルのミニアンプがあります。こうなると、やはり素直に5極管として使うしか無さそう。動作的にはK-NFをやって見たかったけど、譲られたトランスを使うと、K-NFもUL接続も無しになります。ちょっと悩ましいです。
 なりゆきでこうなったのですが、家にある真空管プッシュプルアンプはすべて初段が5極のPK分割です。 せっかくだからもうひと工夫したい。どうせなら、定電流素子を含めてアクティブな半導体素子は使わずに、単純な真空管の回路で済ませたい。なるべくなら使用中の再調整無しに長く使えるようにしたい。候補のひとつが2段差動回路。双3極管で構成すると、ドライブ部が4球になります。デザイン的には収まりが良さそう。

5 全体をまとめると
 出力段の6CA7はほぼ決定。これを常識的なC結合の固定バイアスでプッシュプル。ドライブ段が差動2段の場合、手持ちの本数を考えると、トップが12AX7か12AT7で2段目が12AU7か6FQ7あたり。ゲインとドライブ電圧について検討が必要でしょう。大出力は考えないし、NFもそれほど深くするつもりはありませんから、電圧配分以外は難しく無さそうです。
 初段のグリッドをグランドに取るとカソードはマイナスに引く必要がありますが、どうせ終段のバイアスのマイナスが要りますから問題は少ないでしょう。初段と2段目の結合をどうするかが悩みどころ。最終的にはDCの負帰還がかけられないので、両側とも直結にすると長期的には不安定要素になります。片側のみ直結で他方はC結合という手もありますし、潔く両側ともC結合にするのも良さそうですし。

・・・・というあたりまでで、何年も放置したままになっていました。