2013年10月9日水曜日

6CA7 PP : 電源トランス

情報を探りながら、引き続きゆっくりと前進中

 一般的な現行のトランスでは都合の良さそうな物は見あたりませんでした。そのかわり、比較的簡単に特注で作ってもらえそうな所を見つけました。特注といってもイージーオーダー程度の感じです。規格品よりも少し高いぐらいの価格です。まあ、真空管用の電源トランスなんて、今どきは規格品でも工場のラインでガンガン作っていてる訳はありませんから、注文に合わせて巻き数とか加減しても製造工程自体はあまり違わないはずです。都合の良い品が無くて逡巡するよりも、最適な物が得られるとなればそれだけでいくらかは需要に繋がるはずですから、これはたいへんうまい着想点のように思います。
 少し電流の大きなトランスの電圧を低めにして、巻き線の途中にタップを出してもらえばOK。大きさの点でもなんとか(ネシ穴はあけなおしですが)シャシーに載ります。 プレートとG2とプラスの電圧が2つ。バイアスと差動段を下に引くのにマイナスをひとつ。ドライバ段はスクリーンの電圧から取れます。電源部の概要が決まりつつあります。プレート側は抵抗が高くてプシュプルで打ち消されますから、多少リップルがあってもあまり支障無いでしょう。対してスクリーンはリップルの影響が出ます。電流の変動も大きいので、こちらはチョークを通した方が良さそうです。電流が小さいので大きなチョークで無くても済むのが有りがたいですが・・・見栄えの良さそうな物はやはり高価です。微妙に悩ましい。

6SN7-GT
出力段の電圧が自由になりそうなので、これに合わせてドライバ段を考えることにしました。出力30Wのアンプとしてはプレートが高目でバイアスも深いです。グリッドはフルスイングしないのですが、それでもPeak-Peakで30Vは振る必要があります。余裕を見ると、ドライブ段の電圧はけっこう必要です。初段と直結にするとその分全体にプラス側にシフトしますから、スクリーン電圧の250Vからドロップしたのでは不足ぎみ。やはり直結はやめて、グリッドをグランド基準にしてカソードをマイナスに引くのが簡単そうです。電圧の余裕で平衡度が良くなりますし、副次的な効果として、コンデンサの耐圧が楽になります。今は良質でコンパクトなコンデンサが入手しやすいですから、直結にしなくても心配は少ないです。
  ドライブ段は6FQ7/6CG7で行けそうです。テレビの水平発振の管で、6SN7のMT版です。6SN7は特性の素直な管で、アンプの出力段に使ったところ(出力は取れませんが)ずいぶん良い音がしました。損失が大きいので電圧を上げても余裕があります。前段は今のところ12AT7で行く予定でいます。μが60ですが不足することは無いでしょう。