2014年1月10日金曜日

6SN7 PP : 動作と位相反転回路

足りない部品があります。買い出しに行くまで作業は停滞です。別に急ぐ事ではないので、遊びます。

 で、6SN7でパズルゲームの続き。 8KΩのトランスを強引に2倍で使うのも考えましたが、探すと比較的安価で16KΩというトランスがありました。最近はやりのミニアンプ用でしょうか、3Wというのも手頃です。ゲームにリアリティが出て来ました。

 MT管の6CG7は1ユニット3.5Wで2ユニット計5Wの制限がありますが、バルブが大きい6SN7にはありません。ピーク耐圧が高いので、負荷抵抗を高目にして高目の電圧で使う方が良さそうです。古い規格の管も使うのでB電圧を300Vほどで考えます。6Z-P1アンプに使ったのと同じ中古の電源トランスが1個余っていますから、ちょうど良さそうです。

 カットオフ付近の特性の良い管ですから、AB級でバイアスは深目にしても良いと思います。無難な所で線を引くとバイアスが11Vぐらい。プッシュプルですから、22V-PPのドライブです。これで約1.2Wの出力です。そうなると、出力段のゲインは約1/3倍。さすがに3極管です。
 わが家基準に揃えるとすると、仕上がり利得が約15倍。ドライブ段の設計では振幅よりもゲインが厳しくなります。軽くNFをかけるとすると、ドライブ段で60~90倍ぐらい必要です。 真空管であれば、前が5極管のP-K分割か、3極管-3極管のカソード結合型でしょうか。アンプの規模を大きくしないためには5極-3極複合管でP-K分割でしょう。6BL8は手持ちに余裕がありますが、これを使えば6BX7-PPアンプとまったく同じになってしまいます。全然面白くありません。

 やっててふと思いだした事。普通カソード結合型の位相反転段は3極管ですが、ここは3極管である必然性は無いのです。ただ双3極管が簡単で便利なだ け。5極管を使えば、ゲインが増して平衡度を高く取れます。ここで必要なゲインを稼げれば前段の利得が不要になります。つまり差動1段。片入力の差動アンプなのでゲインが1/2になりますが、ハイゲインの5極管なら足りそう。高価な5極管を使うけど管の数は同じ。差動の打ち消しが働いて歪みも少なくなるはずです。
5極管差動1段ドライブ回路

 そこでSPICEを活用。5極管を2本使って差動アンプにしてみます。差動アンプとして平衡度を上げるには高い抵抗で深いマイナスに引くのがいちばん。とりあえずB電源の1/3ぐらいで引いてみます。真空管に6AU6を選んで抵抗値をちょっといじると、すんなり正負の信号が出ました。ゲインも片側120倍ぐらい得られますから、5極管で10Wクラスのアンプに使えばほど良くNFがかかります。そしてハイゲインの威力で、正負のアンバランスは数%以下に収まりました。けっこういい感じ。

 しかし私室で常用するなら、あまり大げさなのは困ります。前述のトランスを使うとなるとヒーター電力も抑えたいです。やはり半導体とのコラボでしょうか。