2014年1月7日火曜日

6SN7 PP : アンプに必要な出力

足りない部品の代わりに使える物がないかと押し入れの箱を捜索。


 部品の買い忘れがありました。動作を測って値を変更という事もありますから、とりあえず代用しておいて後で付け替えという道もあります。実験に使った余りとか解体物とか無いかともおったけれど、そう都合の良い物はありませんでした。そのかわり、買い込んであった真空管がひとまとめ出て来ました。物は6SN7で、今度の6CA7アンプに使う6CG7の元になったGT管です。

 6SN7は足の接続が6BX7と同じです。興味半分に特性を見たら、自作の6BX7プッシュプルのアンプにそのまま差し込んでも定格内でした。試しに差し替えて鳴らしてみると、あきらかに出力は不足でしたが、それは綺麗な音がしました。当時の知人はこの音を聞いてMT版の6FQ7をパラにしてプッシュプルアンプを製作し、サブアンプとして鳴らしていました。
 これが元で、なんとなく出会った物を買っていたらしいです。6SN7は昔は全然高価な管ではなかったです。あちこちのメーカーの管が2本づつ。せっかくだからこれも活用してやりたい。そうなると、パラでシングルか片側づつ使ったプッシュプルでしょう。これで常用できるアンプになるかしら。

 必要なアンプの出力はスピーカーや聴く距離などで大幅に違って来ます。居間に常駐している6BX7-PPアンプは約5Wの出力。私室で普段働いている12BH7A-PPは約2.5Wですが、先日作った6Z-P1シングルでも不足は感じませんでした。実はお正月を挟む時期、6Z-P1のアンプを居間で鳴らしていました。音質の点では予想以上の大健闘で、普通に聴く分には全然支障無しというか、むしろ気楽に聴ける感じの音でした。ただ、音量がぐっと大きくなる部分ではちょっと詰まって音がダンゴになる感じがしました。やはり1Wあまりの出力では居間では力不足のようです。しかし逆に見れば、私室で普通に聴く分には1Wでも全然支障無いと考えられます

 昔試した時には差し替えて定格を越えない事を確認しただけでした。 あらためて、特性図から出力管として使う場合の動作を探ってみます。許容損失が大きいと言っても元々は電圧増幅管。本物の出力管とは流れる電流が違います。6BX7のアンプは8KΩのトランスですが、これでは小さすぎ。どうやら最適負荷は18KΩぐらいのようです。この場合は1.2Wほどの出力になります。先の知人はパラにして6AQ5用だったと思われるトランス(10KΩ?)を付けていました。単ユニットでは20KΩ相当ですから、これは良い動作点です。単ユニットで無駄なく働かせるにはトランスがカギになりそうです。