2014年2月28日金曜日

12BH7A PP : 出力トランス

しばらくぶりの電気工作。やっているうちにちょっとはカンが戻って来たようです。その調子でもうひと作業。

 しばらく前にはほとんど絶滅していた真空管アンプ関係の部品がまた作られるようになっているのはちょっと驚きでした。
 私室のヌシに収まっていた12BH7A-PPアンプは1990年代に作った物。この頃はもう小型アンプ用の出力トランスなどは絶滅していました。そこで怪しい試みをする事になりました。電源トランスは出力トランスに使えるか?? なりゆきで、1次側の中点タップを出したトランスをカットコアに巻いて貰うことになりました。実物を測ってみると、本式のオーディオ用には全然及ばないものの、ラジオ少年御用達あたりよりはマシな感じでした。そのまま無理は覚悟でアンプにしたら、案外聴きやすい物ができてしまって、そのまま長年働いて来ました。

 懸案の6CA7プッシュプルアンプ製作の流れで、2つのミニアンプを作ってしまいまいた。デザインも機能も12BH7Aのアンプと対になる物なのですが、さすがに繋ぎ替えて聴くと格差が目立ちます。SPICEも活用して動作を見直して、抵抗とコンデンサをいくつか交換して、いくらかマシになったものの、高音も低音もいまひとつ伸びが無い感じ。やはりトランスの特性が足をひっぱっている感じです。ならば、トランス交換するしかない。幸い今なら良さそうなトランスがあります。


 全体を作り替えるのではなくトランスだけ載せ替えることにしました。サイズ的にうまく載りそうな物から春日無線のトランスを選びました。イチカワの物よりひとまわり大きなコアが縦になって幅が抑えられています。定格の10Wはおそらくぎりぎりの容量と思われますが、このアンプには余裕たっぷりです。
 トランスを載せ替えて鳴らしてみると・・・やはり低音も高音もくっきりたっぷりと。このあたり、イマ風の出力トランスの作りなのでしょうか。 あれ??ちょっとキラキラしすぎ。オシロでチェックすると、やはり矩形波の角がギンギンに立ってました。元のトランスが早い所からダラダラ下がっていたのに対して、このトランスはぎりぎり高域まで頑張っているようです。そこで位相補正のコンデンサを変更したら、あっさりと綺麗に収まりました。慣らし運転のまま棚の中に居着いていた6SN7-PPアンプと交替して、昨晩はそのまましばらく私室で音楽をかけて様子見。音はずいぶん変わりましたが、適度な音量感はそのままです。

 私室の棚には12BH7アンプが戻って来たので、6SN7-PPアンプは居間に出張です。ある程度は予想したけれど、カッチリ気合いの入った音です。でも、ちょっと音を大きくしてじっくり聴くには良いけれど、気楽に聴き流す雰囲気では無いし、なによりすっきりしすぎて音量感が足りないです。日中はメインのスピーカーをだいぶ大き目の音で鳴らしていました。やはり、音量感がなんか違います。スピーカーの前では常用の6BX7-PPアンプより音が小さくきこえますが、離れると大きな音で鳴っているのに驚きます。やはりドライブ段の回路の違いと関係があるのでしょうか。